家庭の小さな台所から世界を変える

「石垣りん」さんという詩人がいる。

私は彼女の詩がとても好きだ。彼女の詩集は、本棚に置かれていて、ときどき読み返す。

自分の生き方に迷いがあるとき
心が折れそうになるとき
周りの大多数の意見に流されそうになるとき

彼女の詩集を開くと、いつも、私に寄り添ってくれる。そして、私らしい一歩が踏み出せるようになる。


大学のころ、「キャリアウーマン」という言葉があった。

「自分が情熱を傾けられる仕事を、一生かけてやりたい」と話すと、

「君は、キャリアウーマン志向なんだね。」
 いつも言われた。

違和感があった。

「私は自分が生きていることを実感でき、そして、それが人のためになり、きちんとした収入にもつながる」

そんなことがやりたかっただけだった。

「女性は生きにくい」と思った。

石垣りんさんの詩に出会って、そんな思いを持っているのは、自分だけでないことに、とても救われた。

薬膳の世界に足を踏み入れて20年以上がたった。
生徒さんたちも、実力をつけてきてくれて、これから薬膳をより多くの人に伝えたいと思っている。

この世界で、何かを表現するためには、
「愛」と「知恵」と「勇気」

3つ要る

「知恵」と「勇気」だけで愛がなければ、人の道に外れる
「愛」と「勇気」だけで、知恵がなければ、道に迷う
「愛」と「知恵」だけで、勇気がなければ、道を切り開くことはできない

石垣りんさんには、この3つのすべてがあった。

私は、今、女性に生まれてきて良かったと思う。薬膳を世の中に伝えていくのに、女性だからこそできる方法があるから。

この詩のように、仕事に取り組むことができれば、私たちは、自分を愛し、人を大切にし、自立して生きることができる。


私とビジョンを同じにする人たちと、一緒に世界を変える。家庭の小さなキッチンから。


私の前にある鍋とお釜と燃える火と


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それはながい間

私たち女のまえに

いつも置かれてあったもの

 

自分の力にかなう

ほどよい大きさの鍋や

お米がぷつぷつとふくらんで

光り出すに都合のいい釜や

劫初からうけつがれた火のほてりの前には

母や 祖母や またその母たちがいつも居た

 

その人たちは

どれほどの愛や誠実の分量を

これらの器物にそそぎ入れたことだろう

ある時はそれが赤いにんじんだったり

くろい昆布だったり

たたきつぶされた魚だったり

台所では

いつも正確に朝昼晩への用意がなされ

用意の前にはいつも幾たりかの

あたたかい膝や手が並んでいた

 

ああその並ぶべきいくたりかの人がなくて

どうして女がいそいそと炊事など

繰り返せたろう?

それはたゆみないいつくしみ

無意識なまでに日常化した奉仕の姿

炊事が奇しくも分けられた

不幸なこととは思われない

そのために知識や 世間での地位が

たちおくれたとしても

おそくはない

私たちの前にあるものは

鍋とお釜と 燃える火と

 

それらなつかしい器物の前で

お芋や 肉を料理するように

深い思いをこめて

政治や経済や文学も勉強しよう

 

それはおごりや栄達のためでなく

全部が

人間のために供せられるように

全部が愛情の対象あって励むように

石垣りん


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