薬膳の考え方「君臣佐使」を生き方に活かす

2017.10.22

こんにちは、阪口です。 今年は、コーセーの和漢生薬化粧品「雪肌精」の漢方アドバイザーとして、 和漢生薬や薬膳、漢方の考え方をお伝えしています。 今回は漢方の考え方のひとつ「君臣佐使」について執筆してます。 スペシャルコラム「みやぶ人」 漢方の処方は、複数の生薬を組み合わせることで、 より高い効果を発揮するようにしています。 例えば、風邪に使う「葛根湯」 葛根(カッコン)、大棗(タイソウ)、麻黄(マオウ) 甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク) 生姜(ショウキョウ) 7種類の生薬を組み合わせて、体表の風の邪と寒の邪気を払います。 いわば、「チームプレー」。 チームで取り組むことで、ひとりひとりの力の足し算よりも大きな結果が得られる。 自分よりも他人を優先させる「和」の文化をもつ日本人は このチームプレーの考え方である「君臣佐使」の考え方には、なじみがあります。 ハーブ でもね。 漢方には、チームプレーでない処方というのも存在するんです。 私の好きな処方に 「独参湯(どくじんとう)」というのがあります。 この処方は、高麗人参1種類のみ。 他の生薬は入りません。 独り人参のみ。 だから、独参湯 「俺にまかしときや~!」って感じがかっこいいでしょう?? 効果は、「気を補う」 つまりエネルギーチャージのための処方なんですが、 シンプルに「気を補うこと」に特化することで、 「しんどいな~」 っていうときに、 すご~く効くんです。 体があまり丈夫でなかった私は小学生時代から、この独参湯にお世話になってきました。 飲むと体が温まって、自分の持っている生命力が引き出される感じがあって、 この処方のおかげで今も元気に過ごせています。 最近は、漢方の相談だけでなく、個人的な相談を受けることが増えました。 その中で感じるのは、 悩んでいらっしゃるときは、 「他の人のスタイル」を追いかけていたり 「うまく行くにはこれしかない」 と思っていらっしゃることが多いように思います。 「自分のスタイルを大事に」 とよく言われますが、 わかりにくですよね。 相談される私も「自分のスタイルがある」 なんて、自信を持って言えません。 でもヒントになるのは 自分の方向性に迷いが出たとき、 「今までどんな状況でもっとも力を発揮しやすかったか。」 「どんな状況でもっともうまく行ったか。」 勝ちパターンと負けパターンを 自分なりに振り返ってみることがおすすめです。 「師」と呼べるような人を見つけて、指導を仰ぐことが、成功の早道の人もいれば、 友達と一緒に気楽にやるほうがうまく行く人もいて。 ひとりで行動したほうが、結果がだせる人もいます。 自分がどうやったらうまく行ったか、 納得のいく結果を出せたか それを知ることで、 どの選択肢が「力が発揮しやすいか」 ということもわかるのです。 私は個人的には 「ピンと来たことを、とりあえず、ひとりでトライして、致命的でない失敗をしてみる。」 というのが、最も得意とする(?)うまくいくパターン(うまく行ってない(^▽^;)?) しかし、その失敗で得た実感が次のプラスのスパイラルの鍵になることが多いです。 かつて、トライアルで始めた店を一軒、1年半でつぶしてますが、 それによって、もう1軒の店の価値を知ることができ、そこに集中することができました。 漢方の処方も、効果を高めるために、 「君臣佐使」に基づいて、生薬を組み合わせるとは言いながら、 実は独参湯みたいに、 たった一個の生薬しか入っていないものもあれば、 君と臣しかない処方もあります。 形はどうであれ アプローチはどうであれ 「しんどいけど、ちょっとおもしろい。」 「続けられそうな気がする。」 「なんとなくしっくりくる。」 「成長してる気がする。」 「ワクワク感がある。」 そんな感覚を感じることができる方法を探してみましょう。 求めている答えは、自分の中にあるものです。 今までのうまくいった自分を 思い浮かべて、 自分の強みを発見してみてください。 そして、その強みを持って、行動する先に、 あなたのスタイル、あなたの「君臣佐使」が見つかりますよ。 今日もよき1日を。 阪口珠未(さかぐち・すみ)