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六義園の紅葉

 

今年は、例年より暖かい秋。とはいっても、季節は知らず知らずに移っていきます。東京の駒込「六義園」の紅葉も秋の深まりを知らせてくれます。
 11月19日からはじまったライトアップ。夜の紅葉も素敵です。でも私のお勧めは、たそがれ時の4時半から5時の30分。薄暗くなってきた庭に、ライトがともると太陽の下の紅葉と違って、情緒のある色に変身します。
 この「六義園」もともとは柳沢吉保のお屋敷だったものが明治時代に三菱の創設者岩崎弥太郎氏の所有となったものです。そういえば上野にある「旧岩崎邸」も岩崎弥太郎氏の建てた洋館だし、バラで有名な「旧古河邸」も古河財閥の息子古河虎之氏と岩崎氏の娘の新居として使われていたし、かつては富がひとところに集中していたんですね。
 ライトアップは本当は28日で終わり。でも紅葉の見頃にあわせて、12月4日5日の週末は夜9時まで特別にやっているとか・・・。
 私が行ったときは、夕方から夜にかけて、会社帰りのサラリーマンの他、10代のカップルなどが来ていました。都内で気軽に美しい紅葉が見れる絶好のデートスポットなのかも。

夏のおわりに

 トロトロとまどろむような眠りから覚めると夫の顔があった。「気分はどう?」続いて、母と夫の両親がかわるがわるベットの脇にやってきて、心配そうな顔でのぞきこむ。気分は悪くなかった。静脈麻酔の効き目の切れ際の宙に浮かぶような感じが気持ち良かった。家族のひとりひとりと話をしながら、「終わったんだな」という実感が強くなっていった。

 前日の夜中、救急治療の診察室で、「赤ちゃんの心音が見えない」と当直の医師が遠慮がちに言ったのだった。翌日、もう一度主治医に診察してもらうことをすすめられ、改めて訪れたものの、診断はやはり同じだった。
 私の場合は「稽留流産」といい、亡くなった赤ちゃんがまだ子宮の中で留まっている状態だった。主治医の話では、3ヶ月までの流産は妊婦の10人に1人は起こるという。
 「染色体の異常や、卵子の状態が悪いなど、育つことのできない赤ちゃんの自然淘汰として起こるものなんです。母体側の問題ではないから、仕方がないことなんですよ。」私の気持ちの負担を減らすように、主治医は、淡々と話す。11週目だった。
 よくあることだとわかっていても、本人は、そのときはそうは思えない。夫も私もその夜はさすがに眠れなかった。
 「先週、駒場公園を2時間ぐらい歩いた。あれが悪かったんじゃないか?」 「つわりのとき、やきそばと寿司ばっかり食べてたからなぁ。栄養失調になったのかも・・・?」滑稽なほど、細かいことにこだわって、自分を責める気持ちが止まらない。
 
 電話の受信音が鳴り、ファックスが届いた。祖父からだった。
「今、お母さんから報せを聞きました。残念でしたね。折角大事に大事にして来たのに。死生は人間のはからいの外。神のはからい。体を大事にしてください。またその中授かる。授けてくださる。悲しみをこらえてひたすら大事に、それのみ祈ります。 祖父」
 私の祖父は89歳。長寿をうらやましがられるけれど、永く生きるのはしんどいことも多い。2人の息子、1人の娘。長男は20年前にガンで他界していた。次男である私の父は祖父の跡を取って家業を継いでいたが、9年前に亡くなった。
 祖父がこの20年をどんな風に過ごしたか、短い文章の中に見えた気がした。「諦める」しかないんだ。自分を責めたら赤ちゃんがかわいそうだ。すこしづつ気持ちが凪いでいく。
 
入院してからの1週間、関西から駆けつけてくれた、両方の父母のおかげで、憂いなく眠るように過ごした。
 3人が帰って、私と夫は2人に戻った。3ヶ月前も2人の生活だった。何も変わらない。ベッドの上に寝転んで、マンションの庭に立つ大きな木が揺れるのを眺める。何も変わらないはずなのに、何か違っていた。
 命を続けていくこと。「生きている」状態はあたりまえではないんだ。赤ちゃんにとっても、私にとっても・・・・。こんな形で、わかりたくなかったのになぁ・・・でも、赤ちゃんが教えてくれたのか・・・。
 木の葉が少し早い秋の風に揺れている。
 夫が横で、「もう、無邪気な去年の夏には戻れないね」と言って笑った。
 短い今年の夏が終わった。

名前はドナ

彼女が最初に話しかけてきたのは、4年前の8月、ちょうど今時分だったと思う。姫路で薬膳のデザートとお茶の茶房を友人と一緒に立ち上げてから1年半。客足は順調だったものの、私は実家の薬屋の仕事を平行して続けていたため、生活は多忙を極め、その4月に過労で入院したばかりでした。そして、私の入院の負担からパートナーである友人は、ストレスで不整脈を発症していたのでした。
 私は、とても疲れていました。みんなが病気になる前にリラックスに来てもらうスペースとして、茶房を作ったはずなのに、スタッフが病気だらけじゃ、何にもなんない・・・。何のためにやってんだろ・・・。
 開店前の朝のひととき、掃除と仕込みをひととおり終えて、店の中心にある半2階への短い階段に腰掛けて、ひとり、思いにふけっていました。 「やめるなら、今しかないよなぁ・・・」
 そのとき、「もういいんじゃない?」という声とも音ともつかない言葉がふってくる感じと、誰かがぴったり私に寄り添う感覚を覚えたのです。
 「だれ??」辺りを見まわすと、私の座る階段の端に身丈30cmほどの小さな観葉植物の鉢がありました。彼女が話し掛けていました。
瞬間、すべてふっきれたような気がしました。「店を閉めよう。もう一度最初に戻ってやりなおそう。」
 私はその日のうちに、2ヶ月後の10月31日に店を閉める事を決めました。
それから4年たって、私は東京にいて、そこに【ドナ】と名づけて彼女も一緒にいます。
 植物には、目に見える植物としての体の周りにエーテル体と呼ばれる周波数のちがう目に見えない体があり、動くことのできない植物はエーテル体を通じて1種のパルスのようなもので、お互い連絡をとりあっていあるといいます。
人間も、物質的な体だけでなく、エーテル体・アストラル体という体を持ちます。多分、私と【ドナ】は、エーテル体を通して会話を交わしたに違いないと思うのです。私は、あの頃、非常事態の中で回線が違うモードになっていたように思います。毎日、疲れているのに、目に映るものはとても美しくキラキラ輝いて見えていました。その鋭敏になった感覚で、【ドナ】の声を受信できたのかもしれません。
 店のクローズは、スムーズに運び、迅速な判断だったと評価する向きもありましたが、本当は【ドナ】の教えてくれたタイミングに従っただけなのでした。 
 以来、4年前のようなビビッドなコミュニケーションは私達にはなく、【ドナ】は、私の「大きくなれよ~」「いっぱい食べろ~」という言葉に素直に反応して、いつの間にか身丈1メートルを越す巨漢に成長しています。
「ドナ、次の非常事態のときも助けてね。」と、下心いっぱいに、米のとぎ汁をかける毎日です。

少林寺と妊娠

 ホームページの更新が1ヶ月以上もあいてしまい、失礼しました。
 7月のはじめ、突然、吐き気と眩暈におそわれました。「今年は暑いから、夏ばてかしらん?」と、おとなしく床についていたのですが、1週間たっても、体調は回復せず、もしや?!と思い、病院に行ったところ「妊娠6週目です」と女医さんがにっこり
 そんな・・・どうしよう!今月は関西出張のお仕事もあるし、料理講習も予定してるし!
 何とか、予定通りに仕事を進めようとする【私】に【私の体】の方も、主張を通そうとするのです。薬膳の試作をしようとすると気持ち悪くする。吐く。一日中眠くてだるい。気分転換にと外に出るとあちこちで倒れて、他人に迷惑をかけるなどなど。2週間で体重が4キロ減り、点滴を受けることになって、しぶしぶ、【私】は抵抗をやめて、7月の出張の予定を全部キャンセルすることにしました。京都と兵庫の講習に申し込みしてくださったみなさん、ご迷惑をかけてすみませんでした。

 今は、【私の体】のやりたいようにさせています。仕事ができなくてブルーになったり、ちょっと体調がいいとつわりに効く料理なんて考えたり、突然泣いたり、激しい精神状態のアップダウンを繰り返す、野放図な毎日です。

いまさら・・・かもしれませんけど、妊娠ってしんどいんですね・・・・。修行だわ・・・。
 昔、「少林寺36房」という中国の映画がありました。1房ごとに腕を鍛える、視野を広げる、などのテーマがあり、35房が終わったら少林拳の達人なっているという話。妊娠もそんな感じかしら?「つわり房」とか「腹が出る房」とか「食べなくても太る房」「陣痛房」という数々の修行の房があって、「出産房」終わったら、【もう、怖いもんない】というのが似てるような・・・。
世の中のお母さんは、こういう修行を2回も3回もやったりするんですよね。なるほど、無敵×2、無敵×3でツワモノになっていくわけです。
 よし、10ヶ月後、なんだか楽しみになってきました。私もツワモノの仲間入りだぁ!  

中華街薬膳ツアー

 弦巻で私が開講している「ベルズ薬膳料理教室」の今年最後の講習は課外授業。薬膳のお食事と中華街での薬膳食材の買出しツアーにでかけました。
 総勢17名。お店に買い物に入るときは、17人でいっせいに訪れるので、店内は常に満員状態。それを外から見た他のお客さんは、「人気のお店」と勘違いして覗きに入ってきて、さらに満杯に・・・。お店の人はきっとありがたかったはず。17人のサクラなんてそうそういないもんね。
 食事は、台湾薬膳料理の「青葉新館」で薬膳のコースをいただきました。「豚耳・豚ガツ鶏の前菜」「湯葉の春巻き」「海老と金針菜の炒め」「豚肉と陳皮(ちんぴ)の炒め」「油菜芯炒め」「薬膳粥」「鶏と当帰のスープ」「仙草ゼリー」などなどあっさりと薄味でみなさん大満足。楊貴妃酒、スッポン酒など珍しいお酒も品揃えが豊富でした。
 お買い物を終えて、帰途につくころには、みんな、すごい量の荷物になっていました。「こんなに買うつもりじゃなかったんだけど・・・・」とおっしゃっていましたが、ついつい買っちゃうんですよね。
ん~。恐るべし中華街。

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