薬膳家レシピ:栗とれんこんのタコ飯

2014.8.26

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『栗とれんこんのタコ飯』

<材料(6人分)>

・ゆでタコ   150g
・れんこん   150g
・干ししいたけ 中ぶり3個
・栗      300g
・ぎんなん   20粒(ゆでぎなんでもOK)
・米      3合
・しょうが   ひとかけ
・サラダ油   大さじ1
・醤油     大さじ2半
・酒      大さじ2
・みりん    大さじ1

<作り方>

1)干ししいたけは水で戻して、薄切りにする。
 栗は片面に包丁で縦に切れ目を入れて、水につけて冷蔵庫に
 数時間入れておく。包丁の柄に近い部分の角で線を引くように
 傷をつけると簡単

2)ゆでタコは、薄切りにする。れんこんはイチョウ切りにする。

 栗は水から出して、もち焼き網で強火で焼く。
 ときどき向きを変えながら5、6分表面が焦げるように焼く。
 乾いたふきんで包んで皮をむく。渋皮が残る部分はナイフで削る。

 ぎんなん20粒は、殻を割って薄皮をむく。
 (ゆでたぎんなんはそのまま使う)
 米を研いで、ざるにあげておく。

3)フライパンにサラダ油を熱し、しょうがの千切りを加えて
 炒める。香りがたったら、ゆでタコ、れんこん、干ししいたけ
 を加えて炒める。

4)干ししいたけの戻し汁、醤油、酒、みりんを加えて味をつける。
 5分ほど煮て味を含ませる。

5)4をざるにあげて、具材と汁に分ける。

6)炊飯器に米を入れ、汁に水を足して、640ccにする。
 5の具材と、栗、ぎんなんを上に乗せる。普通に炊飯する。
 炊きあがったら全体を混ぜる。器に盛って、もみ海苔を散らす。

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 兵庫県出身の私は、タコ飯が大好き。明石で獲れる新鮮な
タコを使って、食卓に頻繁にタコ料理が並びます。

 タコと地這いきゅうり(注:伝統的な品種で、皮が柔らかくて
おいしい)の酢の物、タコ飯、タコと小芋の煮物、明石焼きと
いわれるダシで食べるタコヤキなどなど。

東京に住まいを移してからは、生のタコがほとんど手に入らなく
なったため、タコ料理があまり作れなくなったのが残念でした。

 先日、奈良に住むおばあちゃんが作ったというタコ飯を知人から
いただきました。久しぶりのタコ飯に、大喜びで早速ふたをあけて、
びっくり! 

 タコだけではなく、れんこん、栗、ぎんなんなど秋の木の実が
たっぷり入っています。食べると秋らしい滋味あふれる味に
感動しました。
 薬膳では、秋冬はエネルギーを蓄える時期。木の実や根菜など
体を温めて、精をつける食材を食べることで健康に過ごせると
考えます。

 栗は、胃腸の機能を高め、足腰の弱まりや頻尿を改善し、筋肉を
丈夫にします。他のナッツに比べてカロリーが低い割に、栄養価が
高く、ビタミンB1やDや、カルシウム、カリウム、鉄分などが
含まれています。薬膳では、リウマチなどの足腰の弱りに栗の
イガの煮だし汁を飲んだりします。

 ぎんなんは広島に原爆が落ちたあと、最初に芽吹いた植物です。
地面に落ちて種子が芽を出す発芽率は100%といわれ、生命力が
強い種子。体の気が外に不必要にもれないようにする働きが
あります。

 例えば上の方に気がもれるのを防ぎ、肺の機能をスムーズに
してせきや喘息に効果があります。また、下に向かって気が
もれるのを防ぐと夜尿症・頻尿の改善も期待できます。

 れんこんは、肺・胃の熱をとり、喉の痛み、咳を止め、胃腸の
働きを高めます。また貧血や出血にも効果があります。
 おいしいタコ飯を平らげたあと、私なりに、再現してみました。
一品で、木の実や根菜が食べられる贅沢な薬膳ごはんです。
多めに作って冷凍すると重宝します。

 栗は焼き栗にしてから皮をむくと、ラクチン。ずぼらな私は、
いつも栗は焼き栗にしてむいてから料理に使います。詳しい
画像入りの解説はコチラのコラムを見てください。

栗の剥き方