春の息吹感じる野草たち

2008.3.29

    27日の料理教室のテーマは「春のからだを整える薬膳」春に採れる野菜の香りは自律神経の働きのバランスをとり、この時期に起こりやすい体のトラブルを防いでくれます。
 私が準備したメニューの他に、今回は生徒さんの一人が、おうちの庭で朝摘んだという「こごみ」と「ほんかんぞう」を籠いっぱいに持ってきてくれました。
 「ほんかんぞう」は別名「金針菜」。生薬名は「忘憂草」ともいいます。食べると気持ちがリラックスし、精神安定効果がある野草です。そんな野草がお庭にたくさん生えているおうちってすごいですよね。
 せっかくの取れたての野草です。なるべく素材の持ち味と香りを活かしたいた料理を作りたいと思いました。
 料理講習で残っていた材料は、ゴマ、しょうゆ、いりこ出汁、塩、酒のみ。
   こごみは砂糖も、みりんも使わない胡麻和えに、ほんかんぞうは、ダシひたしに仕上げました。
 食べてみてびっくり!!「おいしーー!!」生徒のみなさんが感嘆の声をあげました。
   いや、ほんとに美味しかった。素材が旬のもので、新鮮だと、たいした調理をしなくても、なんとも滋味深い味が出るんです。
 普段スーパーで、買う食材でも、もちろん季節を感じることはできます。でも、、採れたての野菜には独特のエネルギーが満ちています。私たちの体は、甘い、辛い、酸っぱい、苦い、しおからいという味覚とは別に、そのエネルギーを感じ取るセンサーみたいなものを持ち合わせているのだと思います。
 そして、エネルギーに満ちた食材を食べたときに得る深い充足感。これこそ、薬膳だなあと思ったのです。
薬膳を仕事にしていると、「こんな食材には、こんな効能がある」というお話をすることがよくあります。
 そのような知識も大事ですが、食材がどんな風に育てられたか、いつ収穫されたか、だれに、どんな風に料理されたかという、なかなか定量化できないことにこそ、本質があるのではないかと改めて感じたのでした。
 みんなで試食した後は、とっても和やかなやさしいムードで、講習を終えました。
 春の野草に体もこころも癒された一日でした。