2025.5.27

マルタマフーズ薬膳セラピストの鈴木彩子です。
株式会社マルタマフーズは、病院や高齢者施設でフードサービスの提供をしており、阪口珠未先生の監修のもと、薬膳メニューの作成・提供を行っています。

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4月にグループ会社のショートステイ・デイサービス併設施設にて「春」の薬膳メニューの提供を行いましたので、ご紹介します。

 

〈春の薬膳メニュー〉
・山菜おこわ
・鰆の黄身焼き~春野菜添え~
・菜の花とイカのぬた和え
・アサリのすまし汁

春は冬にカラダに貯めたエネルギーを全身に巡らせ、活動する季節。

カラダに貯まった老廃物を出して気を巡らせる、春に働きが低下しやすい胃腸を整えることが大切です。

毎月行事食を提供しており、4月はこちらの「季節の薬膳献立」を提供しました。

ご利用者様に人気の炊き込みご飯には、消化吸収を高めるとされるもち米と、老廃物を排出する山菜を加えておこわ風に。通常のメニューではあまり使用しないイカを副菜に使用しました。また主菜には、旬の鰆に春らしいタケノコやソラマメを添えて季節感を味わっていただきたいと思います。

 

レシピ紹介【菜の花とイカのぬた和え】

~分量(2人前)~
・菜の花:100g
・人参:20g
・イカ:20g
★合わせみそ:小さじ1.5
★酢:小さじ1.5
★砂糖:小さじ1.5
★和風だし粉末:少々(味をととのえる程度)

~作り方~
①イカは短冊切り、人参は千切りにする
②菜の花、人参、イカはそれぞれ茹でる
③★の調味料を合わせて、酢味噌を作る
④茹でた具材は水気をしっかり絞り、酢味噌と混ぜ合わせる

 

菜の花が出回り始めると、春の訪れを感じます。
独特のほろ苦さは、春先にしか味わえません。
菜の花には、薬膳では気の巡りを良くする、血行改善や老廃物を排出する働きがあるとされています。春に不安定になりやすい肝機能を整えて、のぼせやめまい、イライラなどを抑えると考えられています。

一般的には「わけぎ」を使用することが多い「ぬた」ですが、高齢者の方には嚙み切りにくいとの意見もあり、菜の花やほうれん草で代用しています。普段、青物をあまり好まれない方も、ぬたは完食!ということが多いです。

イカにも、肝の栄養である血を補い精神を安定させる効果が期待されるため、今回使用しました。

これらの具材を酢味噌で和えたぬた和え。
酢、味噌どちらも発酵食品で消化不良などの改善が期待されます。酢は血をきれいにして血行を良くする効果もあるとされています。さっぱりとした口当たりで、食欲も高まります。

 

今回の薬膳メニューは、40名のご利用者様が召し上がりました。
厨房スタッフも、普段あまり提供しない食材が多く、「皆さん食べてくれるかな…」と少し心配でしたが、「春らしくてよかったです」との声もいただき、ひと安心でした。
次回提供の際は、おしながきに食材の効能なども一緒にご案内したいと考えています。

 

株式会社マルタマフーズ HP
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