2026.7.14

記者生活の不摂生から「30代で生活習慣病を患った夫」の検査数値が「食」でV字回復。同僚が病気で倒れるなか、薬いらずのカラダをキープ中。

漢方キッチン講師の今西清美です。

東京のお盆は7月、それが東京特有のことだと知ったのは大学に入ってからの事でした。
それまでは考えたこともなかったけれど、クラスメイトが夏休み中の8月にお盆休みとして帰省すると聞いて初めて「へえー」と思ったものでした。
東京以外の人たちはお盆にそれぞれの郷里へ帰省するため、日本中で民族移動が行われるわけですね。
東京生まれの自分には「帰る」という家はなく、なんだか羨ましかったのを覚えています。
なぜ東京のお盆は7月なのか。
それは明治の初期、国が改暦した時、東京だけがいち早く新暦を採用した名残なんだそうです。
国としては全国的に広めるつもりだったものの、7月は農繁期で忙しく、従来の8月のお盆の習慣は動かせず、そのまま現在まで残ったというわけです。
私の実家は東京下町の小さな一軒家でしたが、お盆の13日になると夕方、玄関先で迎え火として焙烙の上におがらを焚き、16日には送り火を焚いたものでした。
結婚してマンション暮らしになり、いつの間にかその習慣はやめてしまいましたが、夫は関西人。
もし迎え火を焚いたとしても、ご先祖様は「まだ早いなあ」と戸惑ったかもしれませんね。
また、きゅうりやナスに割り箸を刺して馬や牛に見立て、お盆に仏壇へ供える習慣もありました。


これは全国的にもよく知られた風習ですね。

お盆の頃は、一年でも最も暑さが厳しい季節です。
昔から精進料理には、旬の野菜や豆腐、ごまなど、体に負担をかけずにいただける食材が多く使われてきました。
これは単なる「決まりごと」ではなく、暑さで弱った胃腸をいたわり、水分代謝を整えながら、夏を元気に乗り切るための先人の知恵でもあります。
冷たいものばかり食べたり飲んだりしがちな季節ですが、胃腸が疲れると食欲が落ち、夏バテの原因にもなります。
だからこそ、この時期は消化の良い豆腐や、香りのよい薬味、旬の野菜を上手に取り入れて、体の中から涼やかに整えてあげたいものですね。

さて、江戸時代のお盆では、きゅうりやナスのお供え物を川に流したとか。それを集めて材料にし、「福神漬け」が作られたという話があります(諸説あります)。
考えた人は、材料代がかからず大儲けだったかもしれませんね。
カレーの付け合わせとして有名な福神漬けですが、意外と使い切れずに残ってしまうこともあります。
今回は、そんな福神漬けを使って、夏らしい精進料理にアレンジしてみました。
福神漬けの甘みと歯ごたえ、きゅうりの瑞々しさ、ごまの香ばしさが合わさることで、暑い日でもさっぱりといただける一品です。
茗荷や青じそを添えれば、香りも爽やかで、さらに夏らしい味わいになります。
ぜひ作ってみてください。

豆腐ステーキ―福神漬けソース

(材料) 作りやすい分量
木綿豆腐            150g
福神漬け            50g
きゅうり            50g
白胡麻             大さじ1
ごま油             小さじ1/2

(作り方)
① 木綿豆腐は事前に水切りをし、熱したフライパンにごま油をしいた上で四面を軽く色づくまで焼く
② 豆腐ステーキの上に福神漬けソースを乗せて食べる
※上に季節の薬味(茗荷、紫蘇など)あしらってもよい

福神漬けソースの作り方
① 福神漬けはみじん切りに、 きゅうりはおろす。 白胡麻は五分擂りにする
②材料をよく合わせて出来上がり