2025.2.20
商社勤務から薬膳と料理の世界へ沼落ち。
国際中医薬膳師を取得後、無類の食いしん坊精神と好奇心からフレンチ、イタリアン、点心、パン、和食、中華、ベトナム、韓国、インドなどあらゆる料理を習得。ユニバーサルな薬膳を目指して日夜邁進中。
「食べることは生きること」食でおいしく、楽しく、体を整えるがモットーの漢方キッチン講師「三栖由佳(みすゆか)です。
皆さんは薬膳のどんなところが好きで、どんなところに興味がありますか?
先月に引き続き薬膳の好きなところをもう一つお話しさせて下さい
私は数年前にインド料理のお教室に通っていました。
そのお教室は、決められたプログラムを終えるとインストラクターのコースにすすむことができるようになっていて、最後までやらないと気が済まない性格の私はインストラクターコースまで進みました。
毎月課題が出され、提出した料理を食べながら講評し、更にその場で出た課題をまた作るというものでした。
ある月に出された課題は「トマトとニンニクを使ったカレー」
ニンニクや生姜、トマトをふんだんに使って何度も作りました。

季節は9月から10月、体は肺も喉も鼻も、体全体が乾燥へと向かって行く秋。
そんな時に大量のニンニクや生姜を使った料理に、「胃が温まる」というよりは「胃が燃える」ような感覚と体の乾燥を強く感じ、これ以上食べたくないと体が拒否し始めました。
そのとき「薬膳の考え方」を取り入れることを思いついたのです。
秋の薬膳で使う、梨やいちじくのような体を潤す果物や貝や海藻、瓜系の冷やす食材の胡瓜や冬瓜、生トマトなどを食事に取り入れてみました。
すると、熱と乾燥を訴えていた体に潤いが戻ってきて、一気に体がラクになる感覚を覚えました。
『あ〜バランスって大切』と実感したのです。
カレーが問題なわけではなく、乾燥する季節に生姜やニンニクなどを大量に使い、それを何度も繰り返し食べていたミスマッチが問題でした。
季節によって使う食材を考えることはとても大切です。
それを教えてくれたのは薬膳で、季節ごとのカラダのバランスの崩れや急な不調をしのぐためにも非常に助けられました。
薬膳は自分の体調や季節や環境と対話しながら料理をする。
そんなところが、私は大好きです。
寒い毎日が続いていますが、体は春に向かって、活動をはじめています。
植物が芽吹くように、私たちの体のエネルギーが循環したがっているのです。
そんなとき、セロリは気の循環を助けてくれます。
特にセロリは葉に薬効があるのです。
今回は捨ててしまいがちなセロリの葉っぱを使ったふりかけをご紹介します
ご飯に混ぜておにぎりにしても美味しいですよ
セロリの葉とじゃこの簡単ふりかけ

セロリの葉 60g
じゃこ 20g
ごま 大さじ1
ニンニク 適宜(参考に 3gくらい
生姜 適宜(参考に 5gくらい)
みかんフレーク(陳皮) 適宜
青唐辛子 (お好みで) 1/2本
油 大さじ1
醤油 小2(1/2)
みりん 小2
【作り方】
1)セロリの葉をフープロなどでみじん切り(お持ちでない方は包丁で)
ニンニクと生姜は細かいみじん切り。青唐辛子を入れる方は青唐辛子も細かいみじん切り
2)フライパンにニンニクと生姜を入れ、油をかける。ニンニクと生姜にじっくり火を通す
3)セロリの葉を入れて、さらに炒めて、水分を飛ばし、じゃこ、胡麻を入れて炒める
4)みりん・醤油で味を整えて、みかんフレークを振り入れる
*青唐辛子を入れる方はここで入れてください
◆セロリ・・・気の巡りをよくし、春に起きやすいイライラや頭痛に効果的。血圧を下げる働きも
◆みかんフレーク(陳皮)・・・みかんの皮を干したもの。胃腸の気の巡りを良くしてくれ消化不良や吐き気やゲップなどの改善をします。生姜、ニンニクなどの香味野菜と合わせることで、さらに巡りをアップさせてくれます