2025.11.26
こんにちは
30年以上薬局現場で患者さんに接し、薬膳・漢方・手つぼ・発酵食などを組み合わせた指導を行う「ハイブリッド薬剤師」。
漢方キッチン講師の岡山真弓です。
先日、裏磐梯に紅葉狩りへ。
ゴールドラインの名にふさわしい黄金色の道や、桧原湖からの紅葉など様々な美しい自然の風景に、心が癒されました。


宿のカフェで「山塩珈琲」というメニューを発見、飲んでみたらとても美味しい!!
ちょっとの塩味が深い味わいを引き出してくれています。

「山塩」とは磐梯山のふもとにある大塩裏磐梯温泉は、「グリーンタフ」と呼ばれる地層に閉じ込められた太古の海水が、高温の地下水に溶け出して源泉になったものです。
長い年月で、その海水成分が変化し、はからずも海水に比べ塩素イオンが少なく硫酸イオンが多い、特殊な泉質になりりました。
この温泉水を煮詰めて「山塩」を作るわけですが、当然、海水をじかに結晶化する「海塩」とは、風味がまったく違うものになるのです。
この塩はカルシウム、マグネシウム、カリウムが豊富な健康的な塩です。
温泉水から作る塩なんて初めて!!

発酵の講座でも一度お話させていただきましたが、塩にもいろいろな種類がありますし、塩の取り方にも学ぶべきことがいっぱいあります。
今の世の中とかく塩は悪者で、高血圧、高血圧予備軍の患者様の中には毎日の塩分量で一喜一憂されている方もいらっしゃいますし、先生から『塩分控えるように!』と言われて困っている方もいらっしゃいます。
減塩商品に飛びついて、かえってカリウム過多になり腎臓に負担がかかったり、多くかけすぎて塩分量が多くなってしまったり。
自然塩ならどれだけとっても大丈夫と思っている方も。
また、市販の総菜やレトルト食品、お菓子には信じられないほどの多くの塩分が含まれていることも多々あります。
食品の内容表示シールで、「食塩」と記載のあるものは、純粋な「塩化ナトリウム」つまり精製塩
「塩」とあるものは、山塩のように他のミネラル分が含まれる「自然塩」です。
ちょっとした見分け方ですが、食品選びに役立ちます。
薬膳においても塩は大切な役目があります。
食塩
性味:鹹・寒
帰経:胃・肺・腎
効能:毒物、痰、宿食などを嘔吐させる
歯茎の出血にすり込んだり、皮膚掻痒、皮膚化膿に外洗
塩水で薬物を炒めたり、塩水で服用することで腎に引薬する
塩は血液の味と言われるように血液と同じようなミネラル構成をしているともいわれています。(塩化ナトリウムではなく天然塩の場合)
『塩は海のエキス、生命の源』と言われているように私たちの命を支えるには本当は大切な食塩。
正しい種類と正しい量を取りつつ、料理にうまみを取り入れるために上手に使っていきましょう。