2025.7.11
「人も犬も薬膳でハッピーエイジング!」がモットーの薬剤師、国際中医師、国際中医薬膳師、国際薬膳茶師。美味しいものが大好きな3頭の鼻ぺちゃ犬と暮らしながら「ペット薬膳管理士」としても活躍中。ワンコたちの「元気で長生き」をサポートします。
漢方キッチン講師の佐野芳子です。
梅雨に入り、雨が降らなくても湿気を伴う暑さと、それに対してまだ暑さに慣れていない身体のせいで不調を訴える人が私の勤務する薬局でも多くなってきました。
犬にとっても暑さは大敵。
特に湿気を伴う暑さは我が家の鼻ぺちゃブラザースの天敵です。
エアコンの効いた部屋にいても夏バテになります。
特に留守番の時はケージの中なのでエアコンの風に直接あたってお腹をこわしたり。
また、思ったように水を飲んでくれない子、飲んでいるのに尿量が少ない子も。
そんな時は「冬瓜」が良いですね。
「冬瓜」は「涼性/甘味/肺・大腸・膀胱経 清熱解毒 利水消腫 生津除煩」と中医学では分類されます。
熱を冷まし、潤いを与え、浮腫など余分な水分を体の外へ出す働きがあります。
今回は「冬瓜」を使ったスープを紹介します。最近ではスーパーでも小ぶりの冬瓜が見られるようになり、扱いやすくなりました。
冬瓜の皮は「冬瓜皮(とうがひ)」という生薬です。薬膳では皮の内側に一番効能があります。
皮も一緒に煮ていきましょう。
エアコンにあたり過ぎは人も犬もお腹を冷やして夏バテの原因になりますね。
エビは魚介類の中で珍しく温性なので冬瓜の冷やし過ぎを抑え、脾を守るために一緒に使うと効果的です。
ターメリック(ウコン)は犬にも使えるスパイスの一つです。
気の巡りを良くして血行を促し、体に溜まった湿を取り除く働きがあります。
毎日ではなく風味のアクセントとしてたまに使用すると良いでしょう。
今月は次男バムセの誕生日があるのでちょっと贅沢に帆立(刺身用)も入れました。
帆立も潤いを与えて疲労回復させる効果があります。
乾物を選ぶとは、塩分を含んでいるものがあるので表示をチェックしてください。
市販のフードにトッピングする場合はスープに塩分は不要です。
出汁の旨味でほとんど味付けは不要ですが、ヒト用には好みで少量の塩を加えてください。
人も犬も夏バテ対策に「簡単冬瓜スープ」をお試しくださいね。

【冬瓜とアミエビのスープ】
材料:(体重10kg犬1頭+人間1人分)
冬瓜 300g
乾燥アミエビ(無塩) 大さじ2
カツオ+昆布のパック出汁(無塩) 1袋
刺身用帆立貝柱 4個
ターメリック 小さじ1/4
(作り方)
1. 水500mlに出汁パックを入れ、煮出してだし汁を作る
2. 冬瓜は皮を剥き、わたを取り除いて一口大に切る
3. 不織布のお茶パックに冬瓜の皮を入れ、だし汁にひたす
4. 鍋にお茶パックごとだし汁を入れ、アミエビと冬瓜を加えて中火で煮る
5. 冬瓜に火がとおったら皮を入れたお茶パックを取り出す
6. ホタテを加えて軽く火を通す
7. ターメリックを加えて出来上がり
8. 人用には塩を適量加える
犬(体重10kg相当)の一食分は全体の半量です。
※食材の大きさは犬が食べやすいように予め小さく切っていますが、犬種や個体に合わせて与える前に調整してください。