友人の放射線治療

2011.6.21

私が始めて、がんの患者の放射線治療に、薬膳が有効なことを、体験したのは、乳がんの治療をしている友人の食事に関わったときのことでした。

まだ30代前半で乳がんに侵された彼女は放射線治療を定期的にしていました。彼女の家にお見舞いにいきました。副作用で抜けた髪の毛を補って、短めのウィッグをつけ、白っぽい顔色で、「放射線治療の副作用を軽くする食事ってないかな。」と訊きました。

「でも、簡単なやつじゃないとだめよ。治療の後は、あまりにも疲れて、家まで帰るのがやっと。とても普通にご飯なんか作れないから。私、料理きらいだし。」

料理嫌いな彼女が、気楽に作れて、おいしく食べられて、放射線治療の副作用に効果のあるもの・・・。
むずかしい注文。
中国の昔の古典をひっぱりだしたり、中国に留学していたころの薬膳の本を調べたり。

ふと昔のレッスンで薬膳の教師が言っていた一言を思い出しました。
「干し椎茸のスープを腫瘍で闘病している人の食養生に使うといい」
翌日、レシピを書いて、彼女にFAXで送りました。

「これなら、できそう、ありがとう。」という返事。
それから10日ほどして、また彼女の家に遊びに行くと、そのまえにあったときより、ずっと元気そうです。

「すみちゃん、あのスープ、体に合うみたい。治療のあとって普段は、家に帰ったら起き上がることもできないくらいなんだけど、あのスープを飲んでると、掃除とか、ご飯作ったりとか、身の回りのことができるようになったの」

治療以来、便秘が悪化して、でなくなったのが、便通もよくなったといいいます。それ以来、このスープを飲むのは彼女の日課になりました。
次回は、このレシピを紹介します。