牛肉未体験ゾーン

2010.6.19

先日、筑波のとある研究所に努めてる友人から、牛肉を送っていただきました。
研究所で、放牧で、牧草のみを食べて自然に育ったという乳牛の肉だとのこと。「感想を聞かせてね。」とメールがありました。
袋を開けてみると1キロぐらいの肉がゴロン。しっかりした赤身の肉です。
脂身がほとんどないので、生に近いほうがおいしそう。
まず、肉をあぶってタイ風のサラダ「ヤムヌア」を作りました。
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フライパンに肉の断面を押し付けて焼き色が付く程度に焼いて、葱、紫たまねぎ、きゅうり、香菜などど一緒にいただきます。ドレッシングは、とうがらし、レモン汁、ナムプラー
(レシピはタイ料理の酒井美代子先生のもの)
食べると、私が知っている牛肉とは全然、別の味がします。そう、草の味がかすかにするのです!
もしかして牧草を食べているから??
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翌日はステーキに。レアに焼いて、にんにく、日本酒、醤油を煮詰めてソースを作り、添えました。
これもやはりおいしい。牛肉とは思えない爽やかさです。

残った筋は、こんにゃく、干ししいたけ、昆布、生姜と一緒に煮込みました。こちらも、煮込んでも、脂があまり出てこないのですが、脂身が黄色い・・・。そしてやはり草の香りがします。
友達に訊いてみると「牧草を食べているので、脂身にビタミンが増えちゃうの。黄色いのはビタミンの色。それから草の香りが強いんだよね。」
日本の牛肉は、サシが入った霜降りを最上とされますよね。日本の霜降り牛は、世界で最も高値がつくとか。
私は普段はほとんど牛肉っていただかないし、料理講習でも使わないのです。
薬膳では、牛肉は「補血」効果がある食材ですが、日本の牛肉は、中国の牛肉(かつては水牛が中心)と比べると脂身が強すぎて、補血効果を期待して使っても、消化不良や肩こりなどの悪影響がでることが多いためです。
でも、この牛は、今、価値があるとされる牛肉の流れに逆行するタイプの肉です。
友人からのメールによると・・・「商品化はなかなか難しいです。脂身が足りないし、サシも入っていない。ビタミンが豊富な、黄色の脂身は日本人には受け入れられないなど色々な問題があるようです。学校給食で使ってもらえるよう交渉中ですが、市場価格は低いのが現状です。」
そうなんですね。牛肉に関しては日本ならでは事情があるみたいです。
でも、この牛肉なら薬膳の治療食に使えそうな気がします。
「サシ」とか「柔らかさ」だけではない、違う価値基準が生まれれば、きっと売れるようになるんだと思います。
アボカドだって、最初は気持ち悪がって誰も買わなかったけれど、「マグロのとろの味」ていうアプローチで売れたもものね。
がんばって欲しいです!