子宮をきれいに!芋がらと木耳の煮物

2021.1.28

こんにちは
漢方薬膳研究家の阪口珠未です。

これから1年の中で、最も寒い時期になりますが、それでも、日は少しづつ長くなってきています。

中国医学では、「冬至」で陰は極まり、そこから、陽の兆しが生まれ始めます。

寒さの中にも、春にむかっていることを感じる日々です。

今日は、和食で使われる乾物でもある薬膳食材のお話です。

秋から冬になると出回る新物の『芋がら』

サトイモの茎を乾燥させたものです。

 

薬膳では、瘀血(おけつ)という停滞して、よどんだ血を浄化する働きがあります。
特に骨盤内の瘀血をとる効果があり、中国の薬膳だけではなく、日本の民間療法でも、出産したおうちへのお祝いとして、贈る習慣がありました。

本朝食鑑という、江戸時代の本にも

「宿血(ふるち)を破り、死肌(しき)(知覚の全く麻痺すること)を去る」

という記述があります。

もともと里芋という植物は、瘀血を取る働きがあるのです。

さらに、同類相補の考え方からも、「茎」「梗」という部位は、気血水の通りと流れを整えて、瘀血、気滞、痰結などを改善する働きが多く見られます。

現代栄養学では、「ナンセンス」と呼ばれてしまいそうな話ですが、実際に、そのような効果があるものが多いのは事実です。

日本の女性は、ストレスが多く、運動量が少ないため、体質的に瘀血の人が多く見られます。
骨盤内の長期的な瘀血は、生理痛に始まり、子宮筋腫や内膜症、卵巣嚢腫などの婦人科系の疾患の原因にもなります。

血行を改善する食材は、前回のメルマガでも紹介したとおり、身近な食材にもたくさんありますので、芋がらも含め、普段から心がけて食べるようにしてみましょう。

私は芋がらのシャクシャクした食感が大好きで、自宅では芋がらの料理をよく作ります。
娘に言わせると「えぐくなくて、ふにゃふにゃしてないナスビみたいで、おいしい。」とのこと(^^;

ことさら、「薬膳」と意識しなくても、普通にお惣菜として、ほっこりする味です。

おいしく食べて、瘀血が取れるなら、うれしいですよね。

夕食の一品に、作り置きに、ぜひどうぞ。

『子宮をきれいに!芋がらと木耳の煮物』

材料4人分
乾燥いもがら(ずいき)
きくらげ5g
にんじん 50g
油揚げ 2枚
ごま油  大さじ1
<調味料>
にぼしの出汁 200cc
しょうゆ 大さじ2
みりん 大さじ4
酒   大さじ2

作り方
①芋がらは流水で洗い、たっぷりの水に30分ほど浸けて戻し、3~4cmぐらいの長さに切る。
②きくらげは洗って水で10~15分ほど水に浸けて戻し、千切りにする。
③人参は長さ3~4センチ、1センチ幅ぐらいの薄切りにする。
④芋がらは熱湯でさっとゆでて、流水で洗い、水気を絞る。
⑤油揚げは、熱湯でさっとゆで、1センチ幅ぐらいに切る。
⑥鍋にごま油を入れて熱し、芋がらを炒める。油がなじんだら、きくらげ、人参、油揚げを入れて炒め、調味料を加える。
⑦落し蓋をして、中弱火で10分弱、煮ふくめる。
⑧汁が少なくなったら、完成。
冷蔵庫で4日ほど保存できる。

煮干しのダシは、250㏄に5gの煮干しを弱火で煮る。200㏄のだしができる。水の重量の2%の煮干しを入れる。