2023.8.25
こんにちは
阪口珠未です。
昨日、浦和駅まで用事を済ませて、道を歩いていたら、道の真ん中で白杖をもった40代ぐらいの男性が立ってきょろきょろしてました。
道に迷ったのかもしれないと思い、
「どこに行かれたいんですか?」と声をかけたら
駅のロータリーだと思って別の道に出てしまったようです。
「ご案内しますよ。」と言って、彼の手を私の肩に導いて歩き出そうしたら
男性が体重を私の肩にぐっとかけてくる。
その上、ちょこちょこと小刻みにゆっくり歩く。
ちょっとぎょっとして
「どこか、お体悪いんですか?」と訊ねると
「ぼく、先週まで入院してたんです。足の親指が壊疽でくさっちゃって、切断したんです。
今日は、その後の診察で北浦和まで来てました。」
そのせいで、うまく歩けなかったのです。
「糖尿のせいですね?」と重ねて聞くと
すでにもう片方の親指は数年前に切断していて、目も失明してしまったと言います。
バス停まで送り届けて、彼に別れを告げました。
家への道すがら、彼の姿が思い出されます。
「でも、今はインシュリン打ってるから、食事制限はあまりしなくていいから。」と
病院の近くで買ったという「バーガーキング」のハンバーガーを目の前に掲げて見せてくれたのでした。
糖尿病になったら、保険治療での治療指針は決まっていて
「食事や運動などライフスタイルの改善」で症状が改善しなければ
⇒インシュリン注射⇒合併症がでればその治療(糖尿病小網膜症・心筋梗塞・腎機能低下)⇒人工透析・手術
治療の川下に行くほど、体への負担が重くなり、治療費も高くなる。
本当は治療の川上である「食事や運動などライフスタイルの改善」のアドバイスは
人的、時間的コストがかかる割に、保険の点数が低く、
クリニックの経営を考えたとき、保険適応の治療の中に
積極的に取り入れるのはむずかしい現実があるのだと思います。
病は手前で取り組むほど、体への負担も軽く、コストもかからない
健康意識の高い人は、自分で健康を守る情報を得て
自力で健康を維持することができるけれど
そんな自立した人ばかりではないですよね。
だからこそ
「自分の心身を健康に保つための教育や啓蒙」は
は本当に大切だな~と思います。
私のブログやメルマガを読んでくれている人は
「心身を健康に保つための食や運動のアドバイス」ができる人や
これから「そうなろう」と思っている人は多いはず。
今、目の前に広がる現実が
理想的なものではなかったとしても
同じような願いをもつ仲間が増えて、
大切な人たちに伝えていくことで、
近い将来には、「川の水を上流できれいする」方法を
誰もが知ることができるような時代になっていくと
信じています。
中医が常に最善の治療として掲げる
「未病先防(みびょうせんぽう)」
私も私自身の言葉で
伝え続けます。