2024.5.26
こんにちは
漢方薬膳研究家の阪口珠未です。
漢方薬の考え方に「薬対(やくつい)」と言うものがあります。
漢方というと、「葛根湯」とか「六君子湯」など
5,6つ(ものによっては10以上の)生薬をブレンドされたものが思い浮かぶと思います。
でも、中国の臨床の現場では、相性のよい2つぐらいの生薬を組み合わせて使うことが行われています。
私の最初の臨床は婦人科だったのですが、そこでは2種類の生薬の組み合わせを略語的な呼び方で読んでいました。
例えば、「六一散(ろくいちさん)」とか、「二至丹(にしだん)」など。
「六一散は」滑石と甘草の組み合わせで、夏の暑の邪気を取り除き、湿を取り去ります。
「二至丹」は女貞子(じょていし)と旱蓮草(かんれんそう)の組み合わせで、腎精をチャージをする。
他にも「五霊脂(ごれいし)」に「蒲黄(ほおう」を組み合わせて、子宮の瘀血を取る「失笑散(しっしょうさん)」など。
ちなみに、五霊脂はムササビの糞を乾かしたものです(^^;
このような小さな処方のことを「薬対(やくつい)」と言います。
足し算ではなく掛け算の相乗効果が期待できる「生薬の組み合わせ」のことをさします。
中国では、メインの処方に生薬を追加して使っていくので、「薬対」はとてもポピュラーなんですが、
日本では漢方はほとんどがエキス剤になって売られているため、「薬対」の出番が無いんです。
でも、2,3個の生薬で、相乗効果のある組み合わせが作れるなら、
茶材を症状や体質に合わせてブレンドしていく「養生茶」にはピッタリ。
「薬対」は、先ほど紹介したように、いろいろな種類があるのですが、
◆医薬品になっていてお茶には使えないもの
◆味がまずくて、お茶に向かないもの
◆入手しにくいもの
◆長期服用すると副作用の可能性があるもの
などもあります。
今回は薬対の中から
安全で、おいしく、長期に服用できる組み合わせを選んでお話していきます。
他にも、阪口が心がけているおいしいお茶の「味の組み合わせ」についても解説します。
阪口の完全オリジナルな内容なので、薬膳や漢方をすでに学んでいる人にも
かなりおもしろがっていただける内容ではないかな~と思います。
ご興味ある方は、一緒に学びましょう(⌒∇⌒)
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