エゾシカとアイヌ料理

2025.7.30

書籍の撮影がひと段落して、大学に入学した娘がいる札幌に行きました。

せっかく行くなら、北海道ならではの料理を知りたくて、アイヌの血を引くハンター料理家さんのもとへ

エゾシカ料理と鹿を使ったアイヌ料理を教えていただきました。

野生の肉の独特の生臭さをとっていくための丁寧な下処理方法を教わります🤔

⚫︎エゾシカのステーキ〜行者ニンニクのソース
⚫︎低温加熱のエゾジカロースとサラダ添え
⚫︎エゾシカミートソースのペンネ
とホットサンド
⚫︎アイヌ料理〜鹿肉のオハウ

山で狩猟をするようになってから、人間以外の動物や家畜の命について、深く考えるようになったという彼の言葉が印象的。
ハンターの方だからこその命への敬意と動物への愛情が感じられるレッスンに、とても感銘を受けました🌟

いろいろなエゾ鹿料理を作ったのですが、いちばんおいしかったのが、「えぞ鹿のオハウ」というアイヌ料理。

オハウはアイヌ語で汁物という意味だそう。
野菜とシカ肉のスジ肉で作ります。

アイヌは争わない人たちで『国家』という概念も無かったから、伝統を守らなくてはいけないという、気負いもない。

周りにあるものを使い、素材を活かし、シンプルな料理に仕立てるのがアイヌ料理とのこと。

そのシンプルな調理方法で作られたのが、えぞ鹿のオハウ。

調味は塩のみというシンプルさながら、素材のおいしさがダイレクトに伝わり、体の深い部分と共振する感じでした。

私たちが都会で作る料理は、どんな状態の食材でも一定の味に仕上げるためにレシピを作り込み、パンチの強い調味料を使って誰もがわかる味に仕上げることは必要です。

 

でも、こんな風に食材と会話しながら、調味料や火の入り方を加減していくという体験は自分の感覚が研ぎ澄まされます。

朝10時からスタートし、15時過ぎまで、ゆったりとした時間で進められていくプロセス。

リラックスして、心から楽しむことができました。

最近、本のためにずっと「レシピの作り込み」に集中していたので、とても新鮮でしたよ。

何かの習得を目的にして効率的に学ぶことも意味があることですが、こんな風に共有している時間をただ楽しむ過ごし方もいいなぁ

私たちって、カラダも心も色んな側面から体験することで喜びを感じるようにできているんでよね。

漢方キッチンの講座でも、そんな心身両面で楽しんでもらえることを目指していきたいです(o^―^o)