2005.8.6
毎日暑い・・・。最近はスポーツジムのプールに週2回通っている。それだけだは物足りなくて、家から徒歩5分の区民プールにも顔を出す。ある日、区民プールで泳ぎ終えてシャワールームで体を洗っていた。仕方がないことだけど、公営のプールは塩素がきつい。
水着を脱いでゴシゴシ洗っていたら、60代ぐらいの水中ウォーキングの集まりのおばさまのひとりが私の隣に立った。「ここは脱いじゃいけないのよ!」私は不思議に思って「何でですか?塩素きついから、ちゃんと落とさないと肌に、悪いですよ」と答える。「それは、あなただけじゃないわ。私たちだって同じよ。」
「そしたら、あなたも脱いで洗われたほうがいいんじゃないですか?」「お母さんに教わったの?そんな非常識なこと?人前で脱いで。」
「でも、ここは、女子更衣室でしょ。ここでしか、脱いでちゃんと洗う場所はないですよ。」どうも、私が水着を脱いで洗浄していることが、このおばさまの気にいらないらしい。私の答えを聞いて、プリプリしながら行ってしまった。
受付に上がると区の職員に呼び止められた。内容はこうだ。「他の子どもさんもいる前で裸になられては困ります。シャワールームでも前をちょっと隠すとか・・・それに裸で歩き回られも困ります。」なに言ってるんだ??全く理解できない。率直に疑問を伝えると、いかにも、とにかくこの場をなんとかしのぎたいという様子の職員は、「とにかくお願いします」という。後ろにさっきのおばさまが立っていた。
とりあえず、帰宅して、ゆっくり整理する。めんどうくさいし、できればことを荒らげて区の職員とゴタゴタするのも嫌だ。いいじゃん、言うこときいておけば、と頭は考えるのに、体が納得しなくて、胸が苦しい。
この手の「常識・非常識」は人それぞれだから、おばさまと私の個人的な意見の食い違いはしょうがない。『裸で歩き回った』と言う誇張もおばさんの誹謗だからいいや。でも、他の女児がいる前で裸で、体を洗って何がいけないのだ。女の体って、幼い子どもに見せられないほど罪深かったり、醜いのか?
シャワールームで娘の水着を脱がせて洗ってあげているお母さんたちが頭に浮かぶ。私は今、お腹に8ヶ月の赤ちゃんがいる。病院の診断では女の子だということだ。その子を連れてプールに行くようになったらどうするだろう。おっぱいがふくらんだり、陰毛が生えてきたら、「あなたの体は見苦しいから、もう、水着は脱いじゃだめよ」と教えるのか?シャワールームでは、前をちょっと隠せって、エッチなこと教えると思うと不快だ。
受話器を取った。「区民の声」苦情窓口電話する。子どもの前で脱いではいけないことと、洗浄スペースで、きちんと洗ってなぜいけないのか。2点、職員の態度に納得ができない旨を伝える。プールと区から後日返答するとのことだった。区の返答はともかく、すっきりした。納得できないことは納得できないのだから。
今までずっと、仕事をしてればけっこう幸せで、母親になることって、あまり自分にとっては現実的なことじゃなかった。でも、本能なのかな?意識しないのに、考え方が少しづつ母親になってくる。自分がどう思うかという視点しかなかったところに、母親としてどう考えるかという視点が新たに生まれてくる。 見えなかったことがいろいろ見えるってことでもあるんだろう。
今回の事件。エネルギーも使ったし、不快な感情とも付き合ったけど、自分の中に生まれた視点を強く意識するきっかけになったのかもしれない。こうして私はどんどん強くなり、どんどんうるさい奴になっていくんだろう。強さとうるささが、今回のおばさまのような他者を受け入れない独善にならないようでいたいと思う。