坂道

2011.1.5

 娘が通っているのは、自転車で20分ほどかかるちょっと遠めの保育園。近くの保育園は、定員がいっぱいで入ることができませんでした。
 でも、目黒区は待機児童もたくさんいて、保育園に入れただけで御の字。その上、2年も通っていると、だいぶ慣れてきて、往復のサイクリングがいい気分転換になります。
 ただひとつ難点は、目黒は坂が多いこと。どこへ行くにも坂を下って、帰りは必ずのぼってこなくちゃいけません。
まさに“行きはよいよい、帰りはこわい”ってやつです。
 
 自宅までの最後の坂は、特に傾斜が強くて、まるでスキー場のゲレンデです。
アシスト付き自転車でも、かなりがんばらないと登れません。
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 そんな坂をペダルを踏みしめて上っていくと、娘が後ろの座席から、掛け声をかけます。
「がんばれ、かあちゃん、がんばれ、かあちゃん、がんばれ、かあちゃん・・・・」
不思議なもので、応援してもらうと本当に力が出るのです。
重いなあと思っていたペダルが少し、軽く感じられて、ひと踏み、ひと踏みがしっかりと繰り出せます。
かあちゃん、がんばれの20回目が終わるころには、頂上へ到達します。家まではあと少し。
どんな人でも応援してもらうことで、がんばれるってこと、経験したことがありますよね。
それが、ちょっとした一言だったり、小さな笑顔だったとしても。
「誰かが、見ててくれてる」というわずかな認識が人を救うことがあります。人の治療に関わっていくときにも、
どんな薬を飲んでもらうか、どんな食事を食べてもらうかということと同じくらい、その人のことを「気にかけているか」つまり、応援しているかということが、意味を持ちます。
人を応援し、私も応援される。そんな循環を作っていく、そんな1年にしたいです。