2015.6.22 薬膳料理 阪口珠未ブログ「未来を信じてる」 旅する薬膳料理家 阪口すみです。 みなさん、こんにちは、梅の実が実りはじめましたね。 私の祖母の家には、「味噌蔵」という食べ物を貯蔵しておく、蔵があって、歴代の梅干がツボに入っておていありました。 6歳ぐらいのころ、「これは、50年前の梅干よ」って、おばあちゃんが食べさせてくれた梅干の味は、忘れられません。 実はしぼんで、茶色く、すっかり小さくなって、いたけれど、全然すっぱくなくて、食べ終わってもいつまでも口の中でなめていたいような、ふくよかな味でした。 「これは、すみちゃんが生まれた年につけた梅干だよ。」 って、その梅干は、まだシソの色が赤くて、しょっぱくて、ピリピリしました。 時間がたつと、同じものが、こんなに違う味になるのかって、びっくり。 「私の年の梅干、食べないでおいといてね。」 いつか、大きくなったら、食べてみたくて、祖母にねだりました。 梅は、日本の暮らしに欠かせない食材。 どこでも採れるわけでなく、アジアの限られたところでしか、ありません。 私が留学していた中国は、もちろん梅はあったけれど、「話梅」という梅の砂糖漬けや、「烏梅」という梅のいぶしたものばかり。 梅干はありませんでした。 梅は薬膳でもよく使われる食材です。体の体液を補う働きがあり、夏に向けて汗などで体液を消耗するのを防ぎます。 また抗菌作用があり、食中毒を防止したり、吐き気や腹痛を抑え、下痢を止めることもできます。 O157が流行ったときに、梅エキスが有効として、話題になりました。 各種有機酸が豊富で胃腸の活動を高め食欲を増進させ、消化を促して栄養素を吸収しやすくします。 紫蘇も抗菌作用があり、生のお刺身での食あたりを防ぎ、消化を促進、さらに、軽い発汗作用があり、余分な水分を排出してくれます。 ジメジメしやすく、食あたりや消化不良を起こしやすい日本に、梅という植物が育ち、梅干という伝統食がある。 それは、まさにギフトですね。 今日は梅干を使った野菜メニューを紹介します。 鶏の唐揚げ 梅肉ソース 2人分 鶏モモ1枚(下味 塩小さじ1/4・酒大さじ1) ジャガイモ 2個 大葉 5枚 片栗粉・揚げ油 適宜 梅肉ソース 梅肉大さじ1(梅干2、3個分をタネをはずして、叩いたもの) 生姜 (小指の第1関節分を1かけ、すりおろしたもの) みりん 大さじ1 酒 大さじ1 水 大さじ3 ①鶏モモ肉を一口大に切って、下味の塩、酒を振る。ジャガイモは、5ミリ幅ぐらいにスライスする。大葉は千切りにする。 ②揚げ油を熱し、180度ぐらいになったら、鶏肉に片栗粉をまぶして、揚げる。 つづいてジャガイモを160度ぐらいの温度で、揚げる。 ③梅肉ソースを作る。鍋に梅肉ソースの材料を入れて混ぜながら、ひと煮立ちさせる。 ④皿に揚げたジャガイモ、鶏肉の順に盛り、大葉の千切りを乗せる。 ⑤梅肉ソースを上からかける。 毎月薬膳レシピが届くメルマガ『楽膳クラブ通信』は登録無料! 簡単で美味しい薬膳を、食卓に取入れてみたい方はご登録ください。 登録はこちらから 薬膳料理家 阪口珠未の漢方キッチン