薬膳レシピ:炊飯器でつくる簡易チャーシュー

2014.10.31

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『炊飯器でつくる簡易チャーシュー』

材料(3合の炊飯器で作りやすい量)

・豚モモ肉またはヒレ  250g

調味料
 ・しょうゆ  大さじ2
 ・酒     大さじ2
 ・みりん   大さじ1
 ・水     大さじ2

スパイス
 ・陳皮    小さじ1/2
 ・八角    1個
 ・しょうが  すりおろし1かけ分

作り方

1)豚肉ブロックは、ざるに入れ、上から熱湯を満遍なくかける。

2)耐熱の密閉袋(ジップロックなど)に1と調味料とスパイスを
 入れて混ぜる。空気を抜くようにしながら袋を閉じる。そのまま、
 一晩、冷蔵庫で置く。

3)炊飯器に沸騰したての熱湯をたっぷり入れ、2を静かに入れる。
 保温スイッチを押して、そのまま、3時間おく。

4)袋の中の煮汁をスパイスごと、鍋に移して、軽く煮詰め、
 茶漉しでこす。

5)豚肉を適当な厚さにスライスし皿に盛る。生野菜を添えて、
 5を上からかける。

※耐熱密閉袋は100度までの加熱に耐えられる表示のものを
 選んでください。

※3合炊きで250グラムのブロックが一度に2本調理できます。

※薄味で仕上げているため、残ったお肉は冷蔵庫で保存し、
 早めに食べ切りましょう。

 

余ったお肉で・・・・

対角線で半分に切った春巻きの皮(ライスペーパーでも可)を
用意し、ちぎったレタス、5cmぐらいの長さに切った葱、細切りに
したチャーシューを乗せて、先月紹介した付け味噌をぬる。
くるっと巻いていただく。

ーーー

 アラフォー世代のお母さんとの間でよく話題になるのが、肉料理。
「最近、こどもと一緒にお肉を食べるともたれるから、作るのが
怖い」
「豚の角煮作るとおいしいけど、翌日がしんどい。」
とおっしゃいます。

 わが家も、娘は食べるのが大好きです。何が食べたい?と
聞くと、「おにく!」という返事が返ってくることもしばしば。
豚バラ肉でチャーシューを作って夕食に出すと、娘はとっても
喜んで食べています。

 でも、翌日、私は口の周りに吹き出物がポツポツ。ああ、
消化不良・・・・。育ち盛りの娘とは消化力が違うんで
しょうけど、なんだか寂しくなったりします。
 薬膳では、「消化吸収」ということを、非常に重視します。
どんなに良い食材も、きちんと消化、吸収されて初めて
気のエネルギーや血の栄養をつくることができると考えます。

食べ過ぎや消化不良は、血を汚し、気の流れを妨げる一種の
毒素となるのです。

 特に、日本人は脾胃(ひい)と呼ばれる消化力が弱いため、
消化不良をおこしやすく、それが続くと「痰飲(たんいん)」と
呼ばれる不良産生物が少しづつ作られます。

痰飲は蓄積すると、メタボリック症候群の原因となったり、
コレステロール値、中性脂肪などを上げる要因になったりします。

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(左から時計回りに)シナモン、八角、しょうが、陳皮
 いろいろな肉を食べてきた中国の料理では、肉の料理方法に
一日の長があって、肉で消化不良を起こさせないようにするための
知恵がたくさんあります。

 例えば、酢豚も薬膳の考え方を活かした料理です。
オリジナルのレシピは、サンザシというバラ科のすっぱい果実で
作ったソースで甘酸っぱい味付けをします。

サンザシは消化酵素が多く含まれているため、肉の消化を助け、
揚げた豚肉による消化不良を防いでいます。
サンザシソース作りは面倒なので、今ではケチャップや黒酢を
使う店がほとんどですが、中華街の古い店などでは、昔ながらの
体への配慮を忘れない作り方を守っています。

 家で作る肉料理でも、ちょっとした一工夫で、体への負担を
減らすことができます。スパイス類や薬味をしっかり使うことです。

同じ調理方法でも、おいしさがアップするだけでなく、消化液の
分泌を促して、もたれにくくすることができます。

 使うのは八角や、シナモン、陳皮(みかんの皮を干したもの)、
しょうが、粒こしょう、山椒の実など。
あまり難しく考えずにいくつか入れてみましょう。ホールのものが
なければ、シナモンパウダーや八角の粉などでもOK。
 今回は、脂身の少ない豚モモ肉のブロックをスパイスと一緒に
煮込んで薄味のチャーシューを作ります。

 ホテルやレストランで肉や魚の料理に、「真空低温調理法」と
いう素材を真空にして低温で加熱する手法が使われます。

70℃程度でゆっくり火を通すため、モモ肉やヒレ肉のようなパサつきやすい部位でもしっとり柔らかく美味しく仕上がります。

 ここでは、その方法を応用して、家庭の炊飯器の保温機能で
料理しました。

年末年始にかけて、人が集まる機会が多い時期です。
小さな子どもから年配の方まで、一緒に楽しめる料理があると
うれしいですよね。

体に負担をかけないちょっとした心遣い。
その配慮こそ「薬膳」を意味します。