2008.2.13
娘は、動物をとても怖がる。私自身は田んぼに囲まれた田舎で、かえるの声をききながら育ったので、動物が怖いという感覚は無くて、当然、自分の娘も動物や植物に抵抗なく触れるように育つとばかり思っていた。
ところが、道で犬に会うと、後ずさりして、凍りつく、テラス席で食事をすると寄ってきた鳩におびえて、泣き喚く。
最初のうちは、「まだ幼いから怯えるんだわ。そのうち、興味をもってくるよね。」なんて思っていた。でも・・・・。2歳になった最近、生き物嫌いに拍車がかかって、鳩や犬だけではすまなくて、かまきりやアリンコも怖くて、泣いてしまう。
鳩を見るたびに、「ウワァ~ァ~」と泣き叫ぶ娘に、「鳩、ほら見て、怖くないよ。かわいよ。ね~。」と言い聞かせても、一向に効き目がない。
そんなある日、いつも預けている保育ママさんからの連絡ノートに書いてあった文章に目が釘付けになった。
『公園で鳩に会うと、いつも泣くのが、かわいそうなので、「怖いって言っていいんだよ。怖いって言ってごらん」と言うと、大きな声で「ハト~、こわいよ~。」と言って、その後は全く泣かなくなりました。』
目からウロコが落ちた感じだった。
次の日娘と二人ででかけたとき、鳩が寄ってきたので、先生の真似をすることにした。「ハト、怖いっていっていいよ。そしてね。怖いからあっち行って、て自分で言ってごらん。」
娘は「ハト、こわいの!あっちいって!」と大声で叫んで、ちっとも泣かなかった。
怖いという感情を持つことは、とても不安な心もちになる。でも、その感情を「コワイ」って言葉で表現して、「あっちいって」と言う、怖いことへの対処方法を知ったことで、娘の中の不安が解消したんだと思う。
人になんと言われても、怖いものは、怖いんだよね。そんな当たり前のことを忘れて、「動物や植物を好きな子どものほうに育ったほうがいい」という私の価値観を娘に押し付けていたことに、気づく。
今日も、娘は動物怖くて、きらい。でも、「ハト、あっちいって~」と言いながら、笑ってハトの後ろを追いかけている。
娘から、そして、娘をとりまく人たちから、教えてもらうこと、気づかせてもらうことが、とてもたくさんある。