350年の歴史の薬酒「保命酒」

2021.4.24

こんにちは、漢方薬膳研究家の阪口珠未です。

今週末にも緊急事態宣言。
コロナとのお付き合いも2年越しになりました。

お元気でお過ごしですか?

さて、阪口は娘が無事高校に入学できて、ほっと一息ついています。

あまりリアルで人に会っていなかったのですが、仕事もプライベートもひと段落ついたので、久しぶりに地域創生の仕事で懇意になった方とお会いしました。

そして、そのときにいただいたのがこの「保命酒」。

350年前から広島の広島県福山で受け継がれている薬酒だそうです。
漢方医の中村吉兵衛という人が調合したのが始まりで、幕末にはペリー提督の接待にも振舞われたとか。

私がいただいたのは「保命酒」を作り続けて130年。「入江豊三郎本店」という企業のお酒です。

もち米と麹米で仕込んだ焼酎に「16種類の生薬 高麗人参、菊花、黄精、桂皮、枸杞子、甘草、丁子」などが漬け込まれているとのこと。

いただいてみると、もち米のお酒らしい甘くて優しい味に、ほんのりとシナモンや丁子のスパイシーな香りとクコや黄精のコクを感じます。

すご~く上品な薬酒です。

薬酒というと「養命酒」をイメージしがちですが、地方には、こんな歴史のある薬酒があるんですね。

本当に日本ってこんな小さな国の中に驚くほどの食の多様性があって、感動することがたくさんあります。

お会いした男性は広島出身で、県内のいろいろな会社を取材されているので、広島エピソードを聞かせてもらったんですが、広島には100年を超す長寿企業がたくさんあるそうです。

そして、その長寿企業のほとんどが、なんと「女系」だそうです。

会社を社会の変化に対応しながら、100年以上会社を存続させるのは、とても大変で、「男系」よりも「女系」のほうが、リスク管理がしやすいんですね。

つまり、自分の子供に跡を継がせるときに、必ずしも、男の子供が会社の社長として、適性があり、能力があるとは限らない。
でも、女の子であれば、娘婿として、外から優秀な男性を社長として、迎え入れることができる。

特に、養子としてやってきた男性は、そもそも、その会社の人間関係の中でしがらみがないから、思いきったことができるというメリットがある。

そうやって、常に「新風」を入れて会社を時代に合わせて変化させることができたからこそ、100年以上続けることができるということなんだそうです。

そして、最大のメリットは「自分の息子は能力がなくても、縁を切ることができないけれど、ダメな婿だったら追い出せる。」

やはり、「人間のしがらみ」ほど、人の目を曇らせ、ビジネスの致命傷になるものはないということですね。

日本は、世界で最も長寿企業が(中小企業)多いのは有名です。

欧米人や中国人に比べると自己主張も激しくなく、まじめで几帳面と言われる日本人。
だけど、実は、こんなしたたかな一面があるんだなと思うと、とっても楽しく、頼もしいですね。

また、キャンピングカーで旅をしたい気持ちがむくむくと湧いてきます。
コロナが開けたら、自由に旅したいものですね。

入江豊三郎本店の「保命酒」はこちら→
https://www.iriehonten.jp/