【1日1養生#27】夏至のごはん~陽のエネルギーをもらう

2022.6.27

21日は夏至でしたね。

夏至は太陽の力が強まる節気として、世界中の文明で大切にされています。

例えば、日本では、伊勢の二見興玉神社の夏至祭禊は海から昇る日の出をみるために、多くの人が集まります。
スウェーデンやフィンランドなど北欧の国では、夏至を夏至祭(ミッドサマーフェス)として華やかに祝います。
クリスマスの次に大きなお祭りといわれています。

ドイツでも特別な日として、各地でさまざまなイベントが催されます。

イギリスでも、夏至は植物がもっと元気になる頃と言い伝えられます。
ケルト神話に出てくる妖精は植物の化身。

夏至の頃には、自然界の扉が開いて妖精と人間が交流できる類まれな日なのです。

シェークスピアの「真夏の夜の夢~A Midsummer Night’s Dream」はまさに、夏至の日の妖精が登場する物語ですね。

西洋美術館がリニューアルオープンになり、特別展が「自然と人のダイアローグ」

夏至にはふさわしいテーマに心惹かれて立ち寄りました。

リニューアルオープン記念の展示とあって、充実の内容です。

モネ、マネ、ルノワール、マティスなど画家が自然から、いかにインスピレーションを得ていたかが伺える展示でした。

その中でひときわ目を引いたのが、ゴッホの「刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑」

金色に輝く麦畑の中で、農夫が輝く太陽浴びながら麦を刈り入れている絵です。

この絵が描かれたのが1889年。

そして、この絵を描いた翌年の夏、ゴッホは麦畑の中で、銃で自らの命を絶ちます。
私には黄金に輝く麦を刈り入れているのは、ゴッホ自身に見えました。

麦が金色に輝く夏至の時期。

自分の命を黄金色に燃やして燃やして、命を使い切って、ゴッホは逝ったのだなと感じました。

日本では、夏至は田植えの真っ最中なので、大きなお祭りをすることはありませんが、陰陽論で言えば、1年のうちで太陽のパワーが強まり、陽気がもっとも強くなる時期。

自然界の陽のエネルギーを自分の中にいただく時期ともいわれています。

私たちの中にある「命」は、まさに陽の力。

その陽の力は、私たちがどんなに落ち込んでいても、道に迷っていても、疲れ果てていたとしても、私たちの中で赤々と燃えている。

陽の力が高まる夏至には、私たち自身の中にあるこの根源的で、強いエネルギーに気づくことができるのではないかと思うのです。

「自分はどんなことに、このエネルギーを使いたいのか。」
「自分の命をなんのために燃やしたいのか。」
「本当はやりたいのに、なにかに遠慮してできなかったことは?」

たくさん旅をしたい?
これから改めて学びたいことがある?
家族をちゃんとサポートしたい?
自分の言葉で何かを伝えたい?
自分だけの作品をクリエイトしたい?
だれかの力になりたい?

太陽の力を借りて思いおこす時期でもあるかもしれません。

さて、夏至の時期は次の小暑までの6月21日〜7月7日の期間。

自分の中にある「太陽」を見つけてみてくださいね。

今年の私の夏至は、「アーティストとしての自分を大切にする。」

家族や組織のためにエネルギーを注ぐのは、喜びをもっていやってきたけれど、今年は私個人の表現をやりたいな~と感じました。

そして、夏至にちなんで、夏のエネルギーを感じられる料理を作ってみました。

北欧では夏至と言えば、新じゃがをディルで和えて食べるのが夏至のメニューだとか。

日本では夏の魚、鯵や赤い人参、インゲン、トマトを使って、私なりの「夏至メニュー」を楽しんでみました。

【1日1養生#27】夏至のご飯~陽のエネルギーをもらう

◆鯵のフェンネルグリル
◆新じゃがとアボカドのパセリ風味
◆人参・レーズン・クコのサラダ
◆インゲンとエリンギのアーモンドサラダ
◆トマトと卵のスープ

あなたの中にある夏至の太陽はなんですか?