REM

2005.3.22

「R.E.M」、80年にジョージア州アセンズで結成された。ポストパンクのアメリカでインディ・レーベルからデビューし、以来「オルタナティブロックの先駆者」、「世界最高のロックバンド」といわれながら、どこかにマイナーな香りのする不思議な存在のロックバンド。
 3月16日、ワールドツアーの東京公演が武道館でありました。
ステージはいたってシンプルなものでした。10数本の蛍光灯が宙吊りにされ、曲が変わるごとに、蛍光灯の色や光かたが変わる、言わば光だけの演出です。
曲は90年代のアルバムや最新のアルバム「アラウンド・ザ・サン」から、演奏され、その中には、ブッシュ政権に対する批判を込めた曲2曲も含まれました。
カリスマというのは、こういうものなのかもしれないと思ったのは、ボーカルのマイケル・スタイプと聴衆との関係性でした。武道館には1万人の人がいたにもかかわらず、「マイケル・スタイプ 対 聴衆みんな」という図式ではなく、「マイケル・スタイプ 対 自分」という「1対1」の関係を強く感じさせるのです。ツアー先の控え室には、彼専用の瞑想部屋が作られているとかいないとか、ミステリアスな逸話の多いマイケル・スタイプですが、さもありなんと思わせる強烈な個性でした。
デビューから24年たっても、いまだに、大衆に消費されず、新鮮さを失わないこのバンドの持つ緊張感。春の夜に漂う沈丁花の香りとともに酔いしれたのでした。