2012.8.7
今日は、研修に必要なお金を人民元に代えて、また、西苑医院へ。
西苑医院から、西太后が離宮として過ごした頤和園までは、目と鼻の先。
彼女との縁を感じます
みどりが深くて、静かな場所にあります。
さて、今日は、あきらめて、心血管科にとりあえず申し込むことにしよう。
学校に行ってみると、チャイナドレスを着たコンパニオンらしき女性が門にたくさんたっています。
門番に
「今日はなにがあるの?」と訊くと、
「検査と会合があるんだよ。」とのこと
中国の病院は、設備や診療内容によって、等級があり、西苑医院は、最もレベルの高い3級というランクになっています。
そして、レベルが維持されているかどうかの検査があります。
運悪く、今日はその日にあたってしまったみたいです。
門の前で、検査チームの到着に集まってきた人の中に、教務室の担当官がいます。
いやな予感がして、
「今天、能不能报名(今日、申込みできる?)」
「今天、太忙不了。明天再来(今日は、忙しくて無理。明日もう1回来て)」
また、明日??冗談じゃないわ!
彼をおいかけて、階段を上っていきました。
ふと階段のしたの方を振り向くと、西苑の医者らしき人たちに囲まれて、老人が階段を上ってくるのが見えます。
あの顔、見覚えが。。。。
陳可冀先生だわ!
あんまりびっくりして、階段でつまづいて、思いっきり脛をうちました。
脛をさすりながら、彼が階段を上がりきるのを待って、思い切って声をかけました。
「您是不是陳可冀老師?(陳可冀先生ですよね)」
「対、你是哪里?(そうだよ。君は?)」
「我5月肦給您写信的日本薬膳専家、阪口珠未’(4月にあなたにお手紙をさしあげた、薬膳の専門家 阪口珠未といいます。)」
「対了。我看了。您的信。(そうだ。私は、君の手紙を見たよ)」
「・・・・・但是、看不出来是你。你寄給我的照片、很漂亮。(・・・・でも、今、君だとは、わからなかった。君が送ってくれた顔写真は、とてもきれいだったから。)」
ちょっと待て待て、、、先生。実際の私はきれいじゃないって言ってるの?
確かに今日は、ジーンズに、キャップに、パツパツのティシャツだし。
この先生、ちょっとおもしろい。と思ったら緊張がほぐれました。
「先生、今日は、どうして、いらっしゃったのですか?」
「検査があって、会合にでなくちゃいけないからね。」
「会合まで、ちょっとお話ししていいですか?」
そのまま、先生のオフィスへ。
ちょうど、教務課に渡すために、中国語で書いた履歴書をもってきていたので、それを渡して、言いました。
「先生の『清宮医案研究』は、すばらしいです。この本に書かれていることを、もっと詳しく知りたくて、先生に会いに来ました。」
「どの本を読んだの?」
私は、彼の本の名前をいくつか言いました。
それぞれの本の内容と、処方の使い方について、しばらく話をしていると、
突然、となりの部屋に消えました。
べりべりべりと、紙を破る音が聞こえたと思ったら、
分厚い黄色い本を持って現れました。
「この本は、もっている?」『中国宮廷医学』という彼の著作です。
「いえ、もってないです。」
「これは、他の本にないことが、書いてあるから、参考にするといい。」
本の中表紙に、サインと私の名前を入れてくれました。
そして、その後は、彼の恩師にあたる岳美中先生の話に。
岳美中先生はインドネシアのスカルノ大統領の腎結石を漢方治療で治すなど、著名な中医学家です。
岳美中先生の老人医学分野での功績を語ったあと、急に遠い目になりました。
また部屋の奥に行って、袋を破っています。
「岳美中先生の本だよ。ここの〇〇ページに、老人に対する薬膳の使い方が詳しくかいてある、持って帰ってよく勉強しなさい。それから、これを飲みなさい。」
オレンジの分厚い本を3冊とペットボトルのお茶を同時に差し出します。
すごくおもしろい先生だな~。
病院には、特別な時しか、出てこないこと、私が学びたい内容については、老人病棟の主任医師の李躍華先生がいいといいます。「李先生に言っておくから、就いて学ぶように」と、李先生の携帯番号をくれました。
「清の時代の処方のことで、先生に質問したいことがあるんです。メールで訊いてもいいですか?」
「いいよ。メールでもいいが、携帯番号はこれだから。」
名刺に裏に携帯番号を書いてくれました。
しばらくすると、助手が先生を呼びに来ました。
「会合がはじまります。」
「先生、今日は、病院の検査があって、ホントに私は運が良かったです。おかげで先生に会えたから。」
お辞儀をして、部屋をでました。
李先生の携帯番号が書かれたノートを何回も見ます。
明日こそ申しこもう。
神様、ありがとう!
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薬膳料理家 阪口珠未の漢方キッチン
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