夏の薬膳

2008.7.30

先日、恵比寿のガーデンプレイスの三越で、お買い物をしていたら、さっきまでいい天気だった空に灰色の分厚い雲が立ち込めてきた。
「あらら、雨降りそう。早く帰らなくっちゃ!」とドアのところに向かうと、とんでもない突風と共に、雨が吹き込んできた。
 三越のスタッフの人はおおわらわ。5人ががりで強風で開こうとするドアを押さえ、客を中に入るように誘導する。
 割れるような雷の音もあって、館内は一時騒然とした。
 なんだか日本の天気じゃないみたい。ハリケーンとか、南の島の強烈なスコールとかそんな感じ。
 とても帰れる状態じゃない雨に、足止めされて、ベンチに座り、しばらくぼーっとして過ごす。
 30分ほどして、雨音が聞こえなくなったので、表を覗いてみると、なにごとも無かったかのように空は晴れている。
 家への道すがら、街路樹のプラタナスが1本は根こそぎ倒れ、1本は途中から折れている。恐ろしい。あのまま強引に帰っていたら、今頃飛ばされて、浜に打ち上げられたくじらのように道端に倒れていたかも・・・・。
 それにしても、日本がどんどん熱帯化している。今の日本は、平均気温からすると、実は温帯気候じゃなくて、すでに亜熱帯ぎりぎりになっているという。
 「今年は暑いね~。」って毎年いってるけど、もう、これが東京の普通の暑さなんだと思ってくるようになった。
 東京で生活してると、どこもすごく冷房がよく効いていて、涼しい。でも、私は冷房が苦手で長時間クーラーの効いた部屋にいると首が詰まってくる感じがする。そこで家であまり冷房をつけないでいると、やはり暑くて、熱にあたったような感じになる。中国医学でいう「熱邪」に負けた状態だ。のどの渇き、かるいのぼせ、消耗感、夜ねつきにくいなど。
 そう、こんなときこそ、薬膳なのだわ。
 まず、すぐに使えるのが、「スイカ」。切って塩をかけて食べるだけの素朴なものなのに、熱感と水を飲んでも治らない渇きが、すーっと癒える。
 それから、次に使えるのが緑豆のスープ。多めに戻した緑豆を30分ほどやわらかくなるまで煮て、冷ましたものをタッパーに入れて冷蔵庫にストック。汁ごとスープに加えたり、実をサラダに入れたり。冷えたものに、蜂蜜を混ぜて甘みをつけ、すこし甘くしたココナッツミルクかければ、即席の冷やし汁粉にもなる。
 娘はあんこがきらいなので、仕方なく、汁だけを「お豆のジュースだよ~」と、無理やり飲ませている。夫には、お弁当のデザートに、生ぬるくなった緑豆のお汁粉がしのびこませてある。
 スイカと緑豆の力で、体調ももとどおり。冷房で冷えすぎ頭痛や肩こりがおきたきは、プールで1時間ほど泳ぐと、ほぼ治っているし、今年の夏もなんとか乗り切れそう。
 人間の体ってすごいと。改めて思う。季節のものを食べたり、適度に運動を与えてあげることで、きちんと応えて、バランスを取り戻してくれる。
 夜更かしもするし、暴飲暴食もするし、ストレスをためこむこともあるし。体にとってはいい主人ではないかもしれないけれど、できるだけ、体のバランスがいい状態か、崩れているか、自分で気づき、自分でケアできるようでいたいなあと思う。
 みなさま、地球の気候が過酷になればなるほど、薬膳はもちろん、中国医学の知恵は、体を救ってくれますよ~! 興味のある方はぜひ一緒にお勉強しまししょう。