鹿の角

2009.5.15

先日、中国人の知り合いから、プレゼントいただきました。「私もいただいたんだけど使わないから、どうぞ。阪口さんなら、使うでしょ?」と言って、絹製の箱入りで手渡されました。中身を空けてみると、鹿の角がゴロン。お菓子かと思って開けたので、思わず「うわぁっ」っと。
中国の方は、贈り物に、滋養強壮効果のある漢方薬を贈ります。私たちが日本人だと、昆布や干ししいたけ、海苔などを贈るような感じでしょうか。今日も、小さな花束と一緒に手土産感覚でいただきました。
漢方では、動物の角はよく使われます。例えば、犀の角。解熱効果に優れていて、高熱も速やかに下がります。高級漢方薬です。ただ、高い漢方薬なので、犀の乱獲が進んだため、ワシントン条約で指定され、捕獲が禁止されています。今では、代わりに牛の角が使われます。
いただいた鹿の角は「鹿茸(ろくじょう)と呼ばれます。やはり非常に高価な漢方です
こちらの効き目は、犀角とは反対に、体に熱を与える効果。冷えや、体力低下などに使われます。
 鹿の肉もやはり、同じように体をあたためる効果があり、鹿肉のバーベキューなども、薬膳レストランに行くと、よくメニューに載っています。
強壮・強精作用もあるため、生殖機能低下や不妊にも使います。漢方のバイアグラみたいな感じともいえます。
薬膳は、治療のために食べるものと健康維持のためのものがあります。中国の薬膳レストランで出てくる治療目的の薬膳は生薬がたっぷり入っていて、「これは、煎じ薬、それとも薬膳スープ??」と思わず箸がとまってしまうようなことも。鹿の角もそんな薬膳スープに時々入っています。
東京でも、薬膳を取り入れたレストランが増えてきました。中華に限らず、自由な発想で、健康維持に役立つような薬膳が食べられるようになったのは、うれしいですね。
それにしても、鹿の角、どうやって、使おうかな。普通は煮出してスープにしたらいいんでしょうけど、漢方バイアグラ、我が家では、飲む人がいません。
im090515