薬膳レシピ:鮭のチャンチャン焼き

2014.10.22

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『鮭のチャンチャン焼き』

<材料(2人分)>

・キャベツ        150g
・にんじん        80g(1/2本ぐらい)
・えのき         60g
・長ねぎ         1/2本
・鮭切り身        2切れ
・白みそ
 (信州みそがおすすめ) 大さじ1 1/2
・薬味ねぎの小口切り   好みで
・七味とうがらし     好みで

<作り方>

1)キャベツ・にんじんは粗い千切りに、長ねぎは斜めに
  薄切りにする。

  えのきは石づきをとってほぐす。
  (フォークでほぐすとラクチン。)

2)白みそを同量の水でのばす。

3)アルミホイルを大きめにカットし、鮭をおき、
  上に1を混ぜ合わせて乗せ、2をかけて包む。

4)余熱しておいたグリルで20分ほど焼く。
  開けてみて鮭に火が通っていたらOK。

5)好みで、薬味ねぎ、七味唐辛子をふる。

※4人分を同時に作るときは、ホットプレートが便利です。
ホットプレートにサラダ油を少量しいて、鮭をおき、
野菜と水でのばした白みそをかけて、ふたをし、
中火で15分ほど蒸し焼きにします。
ーーー

 数年前、岩手県・宮古の出身の友人が地元の食材を
取り寄せてくれて、「宮古食材バーベキュー」をしました。

 宮古のカキ、イカ、殻つきのほたて、柳かれいの一夜干し
などなど。新鮮で獲れたての魚介は、張りがあって、どれもこれも
おいしいものばかり。

 そして、最後に登場したのが、鮭でした。
もうすでにお腹いっぱい。そのうえ、これから鮭を料理するなんて、
時間がかかるなと気が進まなかったのですが・・・。

 「すぐ、できるわよ。それに絶対おいしいから、食べて!」
と、友人。

 見ていると、大きめのアルミホイルを長く切って、鮭の半身を
乗せ、その上から、粗く千切りにした、キャベツ、人参、えのき、
ねぎをどさっと積み上げます。最後に、みそベースのタレを
かけるとアルミホイルののりしろで、くるっとくるんで、
バーベキュー台の上に載せました。

 大き目の鍋ぶたをかぶせて待つこと、15分で完成です。
 アルミホイルを開けると、湯気とともに、蒸し焼きになった
野菜の甘いにおいと、みその香ばしい香りが立ち上りました。
野菜のあいだから、ピンクの鮭が顔をのぞかせています。

 「野菜が甘い~。鮭もふわふわ~」。

 みんな、お腹がいっぱいと言ってたのに、はしが止まらず、
アルミホイルはあっという間に空っぽになりました。

 タレが特別なのでは?と思い、聞いてみると
「みそを水で溶かすだけよ。みりんとか砂糖をいれるとダメ。
タレだけを味見すると食べるとおいしいけど、野菜の甘みが
でるから、最後まで食べるとくどくなっちゃうの。
コツといえばそれぐらいかな」。

 なるほど。みそ料理なのに、あっさりとしてもたれなかったのは、
そういわけなんですね。これならカンタンに家でも作れそうです。
 鮭は薬膳でも薬効の高い食材です。体の気エネルギーを補い、
血液を増やす働きがあり、体力が落ちているときや、胃腸虚弱の
人に、良いと言われます。また、気の流れを整えてと血流を
改善する効果もあります。

 現代栄養学的にみても、栄養価が豊富です。血管を柔らかくし、
血液の流れを良くするEPA(エイコサペンタエン)や脳を活性化
させるDHA(ドコサヘキサエン酸)などの質のよい脂肪が多く
含まれます。

 肉よりも低カロリー、高たんぱくなので、ダイエット中の方にも
おすすめ。鮭の身に含まれる赤い色素、アスタキサンチンは強力な
抗酸化作用があり、活性酸素を除去して、体のさびつきをとり、
免疫力を高めるので、アンチエイジングも期待できます。
そのうえ、この時期は、アスタキサンチン、脂質ともに豊富な
天然の鮭が多くで まわります。
 友人に作ってもらったチャンチャン焼きを、早速家でも再現して
みました。わが家では娘と2人、1人分ずつをアルミホイルで
くるんで、グリルで焼きます。娘も一人分の鮭とお野菜をしっかり
食べて、鮭の皮まで平らげました。

 おいしいものって、ちゃんと残っていくんだなぁと、
郷土料理の知恵と力強さを感じた1品となりました。