食べてウィルスに負けない体をつくる。

2020.3.11

みなさまこんにちは!

薬膳セラピストの柳本綾子です。

コロナウィルスやインフルエンザの流行により多くの学校や施設がお休みになっています。そんな中、ご自宅で乳幼児やご年配の方のお世話をなさっている方。満員電車でのご通勤、または接客のお仕事をされていたりと不安の中で生活をなさっている方もたくさんいらっしゃると思います。

中国の武漢市内で院内感染を防げた病院が数か所あります。その病院の医療従事者とスタッフが飲んでいたお茶の生薬の内容が同じだったということが中国の研究施設のデーターから伝わっています。

それは「気」を補う漢方と「体の表面についた外邪(ウィルス)を跳ね飛ばす」作用のあるものでした。
薬膳でもその方程式は同じです。
今回は免疫力を上げる「気」のお話とレシピをご紹介します。
最後までご覧くださいませ。

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【1】免疫力を上げてウィルスから身を守る。「気」のお話。

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「気」とはなんでしょう?

「元気」「やる気」「負けん気」「気合い」・・・・などなど気持ちや体の中からエネルギーが湧き出るようなイメージが言葉から伝わってきませんか?

「気」は生命活動のエネルギー源であり、車でいうと「エンジンとガソリン燃料」のようなものです。
「気」が足りなくなってくると生きていく上でのパワー不足になり、体のどこかしらに不調が出てきます。

気にはいくつか種類があります。

「元気」・・・生命の原動力。常に腎に保存されています。親から受け継いだ「先天の精」と食べたもので作られる「後天の精」から成り立ちます。文字通り元気があれば五臓六腑の働きもよく病気にもかかりにくくなります。

「衛気」・・・食べたものと、呼吸によって取りこまれる自然の「清気」から作られます。イメージとしては透明バリアが皮膚や体毛、汗腺などをおおっている感じです。この透明バリアが外邪(ウィルス)の侵入を防ぎ、また戦ってはねつけてくれるのです。

他にも肺の呼吸作用と心の血を循環させる「宗気(そうき)」と血を全身に循環させる「営気(えいき)」があります。

ウィルスなどは気が満たされているとはねつけられ、どこかに不足があると体の中に侵入してくるのです。

なので、インフルエンザやコロナウィルスなど「外邪」から身を守ることは

1:「気」を補充すること。

2:体の表面についた外邪(ウィルス)を発汗して取り除く「解表類(げひょう)」と呼ばれる物を一緒に飲食すること。

の2点になります。

最初にご紹介した武漢市内の病院ではまさにこの2つの生薬を組み合わせたお茶を医療スタッフが飲んでいました。

薬膳でもこの方程式は同じように使えます。

★「気」を補う食べ物・・・・米、もち米、大豆など豆類、鶏肉、牛肉、干ししいたけ、ナツメ、たら、スズキ、カツオ、サバ、うなぎ、やまいも、キャベツ、かぼちゃ、じゃがいも、栗、えん麦。生薬では黄耆、人参、紅景天、など・・・・

★「解表類」・・・生の生姜、乾燥生姜、白ネギ、パクチー、三つ葉、みょうが、シナモン、紫蘇など・・・。

漢方キッチンのオンラインショップでは刻みの人参の生薬も購入できます。どうぞお問合せくださいませ。免疫力を上げ、疲労回復や胃腸を強くする働きがすぐれています。

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【2】ウィルス対策に!鶏肉と生姜の薬膳炊き込みご飯

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材料  4人前

鶏肉(もも、胸肉どちらでも可) 150グラム

人参  4分の1本

油揚げ 1枚

干し椎茸 3個

しめじ 2分の1パック

生姜 一かけら(盛り付け用)

米  2合

人参(生薬)の刻み  5グラム(なくてもかまいません。)

《調味料》

醤油 大さじ2
酒  大さじ2 
みりん 大さじ2

砂糖 小さじ2
塩 ふたつまみ

だし汁 2合分(だしの素でも可)

『作り方』
下ごしらえ:干し椎茸は水につけて4時間~半日かけて冷蔵庫で戻す。
1:米はといでから30分ほど浸水させておく。

2:人参は千切り。
鶏肉は1センチ角
油揚げは短冊切り
しめじはざくぎり
生姜は千切りにする。
に下ごしらえをする。

調味料はだし汁を除いてすべてあわせる。

3:お釜に調味料を入れる。次にお米を、最後に椎茸の戻し汁とだし汁を合わせたものを目盛りに合わせて入れる。

4:生姜以外の2をすべて入れる。

5:炊飯する

6:炊きあがったらお茶碗に盛り付け、千切りの生姜を添える。

※生薬の人参を入れる場合は炊きあがった後にお箸で取り除く。お茶パックに入れて一緒に炊く。または混ぜ込んで一緒に召し上がってください。