益母草

2008.4.28

中国の婦人科でよく使われる良薬があります。「益母草(やくもそう」という漢方薬で、私が実習で婦人科にいたころ、中医師が毎日のように処方を書いていました。 効き目は、よどんだ血液を取り除き、新しい血液をつくる助けをします。また、気の流れを整える働きもあり、月経痛、生理不順に使われています。 産後の体に貯まった汚れた血液を出すために、不調がない女性でも飲むようにすすめられます。ちょうど、日本人が産後に悪露をきれいにするために、小豆粥を食べるのに似ています。  
 他にも、益母草単品で飲むと、生理痛を止める働きがあります。 私が中国に留学していたころ、仲の良かった友人が子宮内膜症で、激しい生理痛と出血に悩んでいました。北京の薬屋で益母草を薦められて飲みはじめたところ、痛みと出血がかなり楽になると喜んでいました。日本に帰ってからも、いつも手元においていました。効き目が穏やかなので、長期に飲める便利な生薬でもあります。 でも、不思議なことに日本ではあまり知られていません。日本の古典的な処方の中に、この生薬が入っていないせいかもしれません。   
 先日、私がメニュー監修に関わっている レストラン「白金亭」で、母の日スペシャルのメニューを作ることになりました。このとき真っ先に頭に浮かんだのが、益母草です。「いつも美しく、健康なお母さんでいてほしい」というメッセージを込めた一皿が作れるのでは?と思ったのでした。  
 シェフと相談して、できあがったメニューは「白金豚の煎り焼き色野菜添え益母草とナツメのソース」 カリッと焼きあがったプラチナポークに、血液を浄化し、巡りをよくする「益母草」と、血液を補う生薬「ナツメ」とで作ったフルーティなソースを添え、たっぷりの野菜で彩りました。スパイスのほのかな香りも手伝って、本当に美味しい1品になりました。 他にも、「パパイヤの蒸しスープ」、「金針菜、白きくらげと旬の貝2種炒めゆず胡椒のかおり」等、満足感がありつつも、体に負担をかけない新中華料理が全8品。  
 私自身が自分の母親や夫の母を招待するなら、・・・とイメージして提案したものです。きっとお母様へのプレゼントとしても、また、ゴールデンウィークのお友達とのお食事としても、女性のみなさまに喜んでいただけると思います。 ご興味を持っていただけましたら、白金亭のサイトを、のぞいてみてください。 /