薬膳レシピ:洋ナシと白きくらげの温かいデザート

2014.9.4

018p1

『洋ナシと白きくらげの温かいデザート』

<材料(2人分)>

・洋ナシ    2個
・白きくらげ  5g
・クコ     大さじ1
・はちみつ   大さじ4

<作り方>

1)白きくらげは洗って水でもどす。洋ナシは上1/4ぐらいを
 横に切り落とす。芯をティースプーンなどでくりぬく。

2)蒸し器に入る鉢に1の洋ナシを入れ、くりぬいた穴に
 蜂蜜大さじ1を入れる。周りにもどした白きくらげとクコの実を
 置き、残りの大さじ1の蜂蜜をかける。

3)アルミホイルをかぶせて、湯気の上がった蒸し器で30分蒸す。

4)蒸し器から出し、温かいうちに洋ナシの中身をくりぬきながら、
 白きくらげ、クコ、蒸し汁を一緒に食べる。

※蒸すのに手間がかかる場合は、材料を小さめにカットして鍋に
入れ、柔らかくなるまで煮てもかまいません。多めに作って
冷蔵庫で保存し、食べるときに温めます。

018p2
ーーー

 乾燥の激しい北京の秋、子どもたちがせきやのどの痛みを
訴えると、お母さんは子供を病院へ連れて行く前に、自宅で
ナシの芯をくりぬいて、蒸し器で蒸し、甘い薬膳のデザートを
作って食べさせます。

病院で出される抗生物質はよく効くけれど、お腹の調子が崩れたり、
風邪の予後が長引いたいりするので、できれば使いたくないと
言います。

 のどの軽い炎症なら、これで大丈夫。甘くておいしいので、
子どもたちも喜んで食べてくれます。ナシは身近な果物ですが、
秋の薬膳には欠かせない食材でもあります。秋に起こりやすい
「乾燥」のトラブルから体を守ってくれます。

夏の終わりに感じ始める肌のかさつきを潤し、みずみずしい素肌を
保つので、女性の強い見方です。
 もちろん、効き目は女性だけではありません。中国医学では
「皮膚」と「肺」はつながっていると考えます。皮膚のトラブルは
肺のトラブルとなって現れたり、逆になったりします。

風邪をひいて、肌がゾクゾクした後、鼻水や咳が出てくるのも、
皮膚と肺のつながりをあらわしています。

 肌の乾燥を防ぎ、体内の水分を適度に補う働きのあるナシは、
肺の乾燥も防いで、呼吸器の病気を予防するのです。

 私の夫も秋から冬は、よくにどの痛みやせきを起こすため、去年、
ナシを使って蜂蜜入りシロップを作り貯蔵しました。せきが
止まらなくなったある夜中、熱湯で割って飲んだところ、
効果テキメン! 10分後にはせきもおさまって、ぐっすり。
のどが乾燥しているなと思ったら、ナシをまず試してみてください。

 レシピでは加熱調理に向く洋ナシを使っていますが、日本の
ナシでも効用は同じです。