薬膳レシピ:赤い野菜の冷製スープ

2014.7.17

036p1

 

材料(作りやすい分量 6人分)

玉ねぎ      1/2個
にんじん     1本
パプリカ     1個
トマト      2個
オリーブオイル  大さじ1
コンソメキューブ 1個
塩        小さじ1
水        500cc

作り方

1)玉ねぎは千切り、にんじんは5㎜程度の厚さの輪切り、
 パプリカ、トマトは適当な大きさに切る。

2)鍋にオリーブオイルを入れて火にかけ、玉ねぎをしんなりするまで
 弱火で炒める。

3)にんじん、トマト、パプリカを加えてしばらく炒めたら、
 1カップの水を加えて、ふたをし、蒸し煮にする。

 にんじんがやわらかくなったら水、コンソメキューブ、塩を加えて
 沸騰させ、火を止める。

4)ミキサーでなかめらかになるまですりつぶす。

5)冷蔵庫で冷やし、食べるときには、器に盛ってセルフィーユなど
 緑の葉をあしらう。

※冷蔵庫で2、3日ストックできます。多めに作っておくと便利です。

ーーーー

 中国に留学中、24歳を迎えた時のことです。
同じ歳の中国人の友人に、「赤いベルトをしないの?」と言われました。

 見ると、彼は細くて赤いひもを腰に巻いています。
中国では、年男、年女は、「本命年」と呼ばれ、赤いベルトを1年間身につけます。
最近では、ベルトを嫌がって、赤いリストバンドをする男性も多いとか。
赤いものを身につけることで健康に1年を過ごせると考えられているのです。

 中国医学では、体には五つの主要な臓器(肝・心・脾・肺・腎)があり、
それぞれの臓器が必要とする色があります。
そして臓器の病の診断や治療にその色を使います。

 例えば赤い色は、血液を送り出す臓器、「心」の機能を高め、
血液の流れをスムーズにします。生命力を高めるとも考えられています。 

日本でも還暦に赤いチャンチャンコを贈ってお祝いし、長寿を願いますが、
歳を重ねると弱くなる「心臓」をいたわって、元気に過ごしてください、
という意味が込められているそうです。
 「心」は夏にバランスを失いやすくなり、心臓病の発症率も上昇します。
夏の薬膳としておすすめなのは、赤い食材です。夏には、抗酸化作用が強く、
血液の流れをスムーズにする赤い色の食材が多く収穫されます。

 パプリカは気の巡りを良くし、汚れた血液を取り去って流れをととのえます。
がん予防や動脈硬化予防に効果のあるカプサンチンという抗酸化物質も多く含まれます。

 トマトはビタミンEの100倍、カロテンの2倍以上の抗酸化力を持つ「リコピン」を
大量に含み、血液をさらさらにします。

 にじんは、血液を増やし、血色をよくし、肌を潤わせる働きがあります。
トマトと同じく、抗酸化作用の強いβカロチンが豊富に含まれます。

 自然界で収穫される食材にそれぞれ特定の色があるのは、それを食べて命をつなぐ
人間にとっては、意味のあるメッセージかもしれません。

 今回は赤い食材をいっぱい使ったスープを紹介します。
赤いベルトは、どう考えても、おしゃれじゃないので、私は結局巻きませんでした。
でも、スープなら・・・。
生命力を高める赤い色、体に取り入れて、その力を感じてみてください。