2024.12.19
こんにちは、阪口珠未です。
最近とあるご縁から、ターキッシュティのイベントに参加させていただきました。
トルコというと「トルコ珈琲」が有名ですが、実はお茶文化も盛んで、ユネスコの無形文化遺産に登録されました。
先週、トルコの紅茶文化100周年と日トルコ外交関係樹立100周年を記念したイベントが白金台の八芳園で開催されました。
1日目は、来日したターキッシュティーチャンピオンの指導のもと、伝統的な淹れ方と提供方法などの基本的な技術の他、ターキッシュティーの歴史や特徴、東黒海地域の気候などを丸1日かけて学びます。
2日目は「マスターズ・デュエル」と呼ばれるターキッシュティーの淹れ方を競うコンペティション。
1日目に参加した方の中から選抜6名が出場します。
阪口もこのコンペに出場させていただきました。
持ち時間はひとり25分。
タブルティポットと呼ばれる2個重ねたポットで抽出し、チューリップ型のグラスで、審査員の好みに合わせた濃さで抽出し、さらにその間に自分なりのお茶に対する考えや思いなどもプレゼンするという、なかなかの難易度が高い(;^_^A
でもって、予行演習無し、ぶっつけ本番です。
トルコ人のティーマスターや駐日トルコ大使などの前で初心者がトルコティの淹れ方を披露するという局面に、緊張しながらデモを始めると、ひとりの審査員から声がかかりました。
「紅茶はリラックスして飲むものだから、緊張しなくていいよ。家で紅茶を淹れるようなつもりでリラックスして(トルコ語)」
そう言われて
「そうだった。」と思い直しました。
漢方キッチンでもいろいろな薬膳茶を提供していますが、私は「喫茶文化」というものがとても好きです。
北京中医薬大学に留学しているとき、留学生宿舎の隣部屋はロシア人のアーニャという女の子。
ときどき授業の後、ジャムとウォッカが入った「ロシアンティ」を飲みながらよく他愛もない話をして過ごしました。
チベットへ旅した時には、ヤク牛のバターで作るバター茶を振舞う喫茶店を楽しんだり
中国の南方で龍井茶や烏龍茶の茶どころを訪ねたり。
それがおもしろすぎて、各種お茶を飲める「薬膳喫茶」の開業にいたりました。
お茶には、不思議なパワーがあって「お茶を一緒に飲む」とき
「一緒にお茶を飲む人との時間を楽しむ」というリラックスした雰囲気を作り出します。
それは、洋の東西を問わず、人種を問わず、とても普遍的なもの。
人それぞれ個性はあるけれど、「人間の共通項」を感じられることに、私は常に興味と幸せを感じます。
実際、今回のターキッシュティのイベントに関わっている関係者の方たちは「紅茶愛」「トルコ愛」にあふれていて、イベント自体にとても温かいエネルギーを感じました。
コンぺには、10数名の生徒さんやメルマガ読者さんが応援に来てくれて、にぎやかでしたよ。
みなさんには、「ターキッシュティ・インストラクター」になり立ての初心者の私が淹れたターキッシュティをお試しいただき、トルコのお菓子も味わっていただけました。
写真は、トルコの伝統的なお菓子
ゼリーのような「ロクム」
パイ生地にピスタチオをたっぷり挟んだ「バラクヴァ」
ベーグルのような塩味のパン「シミット」
風味が豊かなナッツやドライフルーツ(ヘーゼルナッツ・ピスタチオ・アーモンド・干しブドウ・アプリコット)
どれも熱々のターキッシュティによく合います。
さて、競技会の結果はというと、
優勝したのは、日本紅茶協会の有田 由美夏さん
技術、立ち居振る舞い、お話ともに優雅で美しく、本当に素敵でした。
今回、イベントに参加させていただいて、トルコの素晴らしさを知りました。
雄大な自然から生まれる農薬を使わないサステナブルな栽培の茶葉
黒海沿岸リゼ地域の高山で採れる野生のハーブ
新鮮なドライフルーツとナッツ
意外に日本では紹介されていない世界の3大料理としてのトルコ料理などなど
薬膳を学ぶ人にも魅力あふれた国だと感じました。
また、みなさまにも体験していただければいいな~。なんて、思っております。
食文化への興味は尽きることが無くて、深く、広く知りたくなります。
トルコのことを根ほり葉ほり聞いていたら、
主催者のトルコの方に「トルコ人の名前をつけてあげるよ。」と。
「Hulya(ヒューリア)」というトルコ名を命名いただきました。
トルコ語で「星」という意味だそう。
願わくば、自らエネルギーを生み出し、育み、滋養する「恒星」でいられるようでいたいものです。