落ち葉のリゾット

2025.10.28

こんにちは

阪口です。

私はキャンピングカーで、日本のいろいろなところへ旅することが多いです。

そして、その度に地方の豊かさに感動します。

地方独特の食文化や農作物、その背景にある風習など。

もちろん地方ならでは不便さがあるものの、土に根差した力強さを感じます。

山口の花農家さんや群馬の桑農家さんをみなさんにご紹介させていただいているのも、そんな力強さをみなさんにもお届けできるといいな~と感じているためです。

先日、知人からお誘いを受けて、「農」に関わるビジネスをされている方たちの食事会に参加させていただきました。

参加者は
ロボットによる農産物の収穫を実現されている方
腸内細菌の研究者、地方で農を中心にした民泊ビジネスを手掛けている方
気候変動に強い植物の育成を仕事にされている方
自分でハンティングされたジビエを自身のレストランで提供されている女性オーナーなど
さまざまな方がいらっしゃいました。

共通するのは、みなさんとても元気なこと。

日常、仕事の中で農業に関わることで、エネルギーがチャージされているように思いました。

ある方が『農』に関わると「命が良くわかる」と言う言葉が印象的でした。

店で売られている野菜、肉を手に取るとき、それはすでに物になっていて、もともと生きた植物や動物であったこと実感できない。

でも、自分で収穫し、自分で狩猟をすると「命の循環」が体の深いところで理解できる。

私たちが学んでいる中国医学、薬膳も自然と私たちがダイレクトにつながっていることを理解するための方法論です。

自然界の要素を5つに分け、季節に分類し、さらに私たちの体や臓器、感情に連関させているのは、私たちが自然界にあるものの「写し鏡」であることを意味しています。

例えば、自然界の五つのエレメントと同じく、2本の手足と頭という「五体」があり、手と足にはそれぞれお「5本」の指がある。

自然界の相似形が私たちの体の中に、フラクタルに織り込まれ、繰り返されています。

そして、自然界からのエネルギーの流れに沿うことで、心身、ともに整っていく。

私たちは、素晴らしい知恵を日々学んでいるんだなぁと思います。

その日の集まりでご準備いただいたのは、店主ご自身や育てられたり、農家さんから直接求められたものばかり。

コースの最後に出されたリゾットからは、なんとも言えない芳醇な花の香りと深い滋味が。。。

「お花が入っているんですか?」と尋ねると

「秋のメニューなので、落ち葉がいいなと思って、落ち葉を集めてダシをとってみたんですよ。」との答え。

夏に太陽をたくさん浴びた葉っぱが、秋には落ち葉となって振りそそぎ積み重なり、その栄養が次の新しい生命の源になっていく。

その循環の中に一瞬、身を置いたのが、この一皿でした。

中医学を学んでいると、いつの間にか「知識」を身につけていくことに意識が向かいますが、時に学んだことを私たちの周りにある自然や私たち自身の体という、リアルなつながりとして感じる時間も大切ですね。