意外なおいしさ!梅干し甘酒で夏バテ予防

2020.6.24

みなさまこんにちは!

薬膳セラピストの柳本綾子です
いきなり真夏のような暑さになりました。早い夏バテのような状態になっている方も少なくないと思います。
今年は猛暑になると予想されています。

さて、村上天皇がおさめていた平安時代中期に疫病が流行しました。都にも疫病がはやり、また天皇ご自身も病に伏してしまったそうです。その時に六波羅蜜寺の空也上人というお坊さまがあるものを煎じてお茶として病人に飲ませたところ、疫病が治まったという故事があります。
その食べ物は私たちのとても身近なものであり、これからくる梅雨バテ、夏バテ予防になってくれるものでもあります。

その正体は・・・「梅」

今回は古来から薬として日本人に親しまれていた梅をテーマにお話いたします。

汗がスッと引く、疲労回復にもいい夏のスペシャルドリンクのレシピもついております。コロナでの自粛が続いて体力が落ちている上に暑さでばててしまわないように食べ物でしっかり養生をしていきましょう。
最後までご覧くださいませ。

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【1】夏のトラブル解消には梅が一番

【2】やみつきになるおいしさ!梅干し甘酒

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【1】夏のトラブル解消には梅が一番
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日本最古の医学書で「医心方」と呼ばれるものがあります。そこでお薬として「梅は三毒を断つ」と紹介されています。
◆「三毒とは・・・?」
1:食べ物の毒(食当たりや細菌性胃腸炎などのことでしょう。)
2:水毒・・・水分が余分に体にたまって起こる体調不良のことです。
3:血毒・・・血の巡りが滞る、いわゆる血液ドロドロの状態です。

これをもとに梅の薬膳的な効能となるほど!と目からうろこの使い方をご紹介しますね。

□梅の薬膳的効能□

1:暑さからくる口の渇き、疲労感の回復。

これはみなさん誰もがご経験ずみでしょう。梅干しを口に入れるだけでじわーっと唾液が出てきますね。
これは梅干しに豊富に含まれるクエン酸、リンゴ酸の有機酸と塩分が唾液の分泌を促しているからです。

クエン酸はエネルギー代謝を活発にさせて、疲労回復のサポートをします。また梅が持つ体を潤す成分から、肩こり、神経痛、腰痛の予防や美肌効果を期待されています。
唾液そのものは口臭、虫歯予防や消化を助けます。

2:解毒作用

梅は古来から薬として使われてきた一番の理由は抗菌作用が高いところからです。おにぎりに梅干しが入っているのは雑菌を殺す力があるからなのですね。
これらの理由から細菌性大腸炎(下痢)や腹痛。吐き気止め。乗り物酔い。または二日酔いや熱中症の改善になると言われています。

3:収れん作用

梅はその味の通り酸っぱい食べ物です。薬膳でも「酸味」は収れん作用と言って、筋肉をひきしめ、体液(汗や尿など)のもれをふせぐ役割があるとされています。

4:のどの不調、夏風邪

梅はのどの腫れや痛み。扁桃腺や咽頭炎などの改善や咳止めにも使われます。
ビタミンも含まれていますので、風邪の症状が出た時などもおすすめです。

●ここで梅のさまざまな使い方をご紹介します。●

青梅をすりおろして汁を絞ってから、土鍋やホーロー鍋などで弱火で黒い飴状になるまで煮詰める。梅肉エキスの出来上がり!⇒食当たり予防。腹痛、下痢止めなど。

梅干しをフライパンやトースターなどで焼く。通称「医者殺し」と呼ばれているようです。⇒インフルエンザ予防。血流をよくするので体内の老廃物の除去。または焼くことで「バリニン」という成分が脂肪細胞を刺激して代謝が活発になるために「焼き梅干しダイエット」ブームを引き起こしました

梅酒をガーゼに浸して外用する。⇒やけど、打ち身、はれ物、神経痛、リウマチなどに使われています。

梅肉をつぶして醤油を少し入れて飲む⇒疲労からくる頭痛の緩和。


そして漢方薬として使われる「烏梅(うばい)」があります。青梅の実を燻製にしたもので、慢性の咳、下痢、不正出血や生理痛、吐き気などに処方されます。
また梅雨時期から夏場など水分の取りすぎなどによるむくみや、夏場に汗をかきすぎて消耗する時期にお茶にして飲んだりします。
ほろっと苦すっぱい大人な味ですが、はまって飲む人が私のまわりでは多く感じます。

ハイビスカスティーやバラ茶とブレンドしたり。またはサンザシと氷砂糖(甘草)で「酸梅湯(さんめいたん)」で楽しむのもいいですね?

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【2】やみつきになるおいしさ!梅干し甘酒
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材料:

黒米 大さじ1

白米 1合

米こうじ  200グラム

水 600ml

はちみつ梅干し 1個

『作り方』

1:白米と黒米は洗ってざるにあげて30分水切りをする。

2:水を入れてお粥モードがあれば炊く。

3:炊きあがったら蓋をあけ、60度になるまで冷ます。

4:米こうじをぱらぱらになるまでほぐして炊飯器に入れて混ぜ合わせる。

5:布巾か蓋をのせて2・3時間に一度混ぜる。55度から60度の温度をキープしながら8時間から10時間ほど保温する。

6:好みの甘さになったら炊飯器のスイッチを切る。冷めたら容器に移し替えて冷蔵庫に。

7:水で割ってお好みの甘さにして、種を除いたはちみつ梅干しと甘酒をミキサーでまぜる。

★薬膳では「甘味」と「酸味」を組み合わせると体が潤うとされ、夏場は特にこの味の組み合わせを意識したお献立を立てます。
はちみつレモンやお酢の物に少しお砂糖をいれたりと・・・みなさんも自然と夏場に口にされていると思います。

梅干しと甘酒のマッチングは意外性がありますが、暑い日にぜひ飲んでみてくださいませ。汗がスッと引いて癒されるような、想像を超えてはまる味です。スポーツ選手やダイエッターの間でもこの組み合わせはじわじわ広がっているそうです。
甘酒はまさに「飲む点滴」と言われていろいろな種類や作り方があります。今回はポリフェノールたっぷり!抗酸化作用が強くアンチエイジングを意識して黒米にしました。
でもお好みで玄米にしたり、スタンダードにもち米や白米で作られたりと楽しんでくださいませ。

梅干しは塩梅でも問題ありませんが、塩分が強いので量に気を付けてくださいね。