薬膳レシピ:ゆで鶏と大根の梅しそ和え

2014.7.9

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『赤しそふりかけ』

材料

・しその梅酢漬け、または、もみしそ 1袋

作り方

1)袋から出し、包丁でみじん切りにする。
または、ミルかフードプロセッサーで細かく粉砕する

当面使う量をビンに入れて冷蔵保存する

残りは、適当な量にわけ、冷凍密閉袋に入れて冷凍する。
使うときは、解凍してビンに入れ、②と同じように
冷蔵保存する。
 ゆで鶏と和えたり、豚肉に薄くぬって巻いたら
パン粉をつけてあげるなど、バリエーションがいろいろ。
もちろんごはんやパスタに混ぜる定番もおいしいです。

 ゆで鶏は、作っておくといろいろな料理に使い
まわせて便利。熱湯でゆでると、鶏胸肉は味が抜けて
パサついてしまいます。
ここでは、炊飯器の保温機能で作るジューシーな
ゆで鶏をご紹介します。

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『ゆで鶏』

材料(3合炊き炊飯器使用)

・ねぎの青い部分  1本
・生姜       ひとかけ(皮付きのまま輪切り)
・鶏胸肉      1枚

作り方

1)鍋に水800cc、ねぎ、生姜を加えて沸騰させる。

2)鶏胸肉を入れてしばらく待ち、もう一度沸騰
  してきたらすぐ火をとめて、炊飯器の内釜に入れる。

3)保温にしたまま2時間おく。

4)釜ごと取り出し、冷めるまでそのままおいておく。

汁ごと密閉容器に入れて冷蔵庫で保存する。
鶏はサラダやバンバンジーなどに。
汁は具を入れて味を整えスープにする。
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『ゆで鶏と大根の梅しそ和え』

材料(4人分)

・ゆで鶏       半分
・大根        200g
・塩         ひとつまみ
・上の自家製ゆかり  大さじ1
・レモン汁      小さじ2
・胡麻油       小さじ2

作り方

1)ゆで鶏は手で小さめに割く。

2)大根は千切りにして、塩を振ってしばらく置き、
  水気を絞る。

3)ボウルにゆかり、レモン汁を加えて混ぜ合わせる。
  鮮やかな赤になったら①を加えて、手でよく和える。

4)胡麻油を加えて混ぜ、器に盛る。
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 以前、料理教室で生徒さんから赤しそのジュースを
いただきました。
生協の活動で、農家の畑を借りて、自分たちで野菜を
育てる会があり、今年、無農薬で赤しそを植えて収穫
したそうです。
持ってきてくれたのは、その赤しそを煮て作ったシロップでした。

 色鮮やかな紅色の液体を、冷たい水で割って口に
含むと、しその爽やかな香りが広がります。
なんだか飲むと元気になりそうなドリンクで、うれしく
なりました。

 この時期たくさん収穫される赤しそ。
ジュースをつくったり、梅干をつけるのに使ったりと、
いろいろ楽しんでいらっしゃる方も多いと思います。
 しそは中国では漢方薬の1種として使われます。

 風邪で頭が痛いときや、悪寒がするとき、風邪の
邪気を肌の表面から発散させ、肺の働きを整えて、
治す効果があるとされます。また、芳香によって、
胃腸の働きを高め、滞った気をスムーズに流す働き、
安胎作用、魚やカニの毒を消す効果などもあります。

 特に、夏の風邪は、胃腸の働きが低下してかかる
ことが多いので、しそはぴったりです。
また、気の流れを整えるので、ストレスや精神不安から
胸が痞(つか)えたように感じるときや、気分が
晴れないときにもいい食材です。
安胎作用もあるので、妊娠している方のつわりにも
安心して食べることができます。
 最近の研究では、アトピー性皮膚炎や花粉症などの
アレルギーに効果があるとしても注目されています。

 実際、私の経営していた薬屋でも、しそを使った
サプリメントやエキスで花粉症や肌のかゆみが
よくなった方や、毎日、穂しそ(刺身に添えられている
紫の小さな花です)を食べたら、花粉症が止まった方
なども何人かいらっしゃいました。

 漢方薬で「香蘇散(こうそさん)」という処方が
あります。
他の数種類の漢方薬と一緒に、しそもブレンドされて
いて、風邪薬として使われるだけでなく、ヒステリー
などの神経症状を緩和する薬としても使われます。
 薬膳をお伝えしていると、「食べ物が体の症状に
効果があるのはわかるけど、精神的な部分にも効く
んですか??」とよく質問を受けます。

 中国医学は「からだ」と「こころ」も分けることの
できない「ひとつのもの」と考えます。
そのため、「怒り」の感情のコントロールに漢方薬を
処方したり、「憂い」を治す薬草があったり。
特定の症状だけを取るというより、生命体全体の
バランスを整えることを重視した結果、精神的な
症状も改善されることもあるのです。
 さて、我が家でも赤しそは大好き。
とくに、しそを梅酢でつけた「もみしそ」は、
いろろな料理に使えて重宝します。
市販の「ゆかり」も便利ですが、乾燥しているので、
混ぜてすぐ食べたいときには、じれったい思いを
したりします。

 おすすめはこの時期梅干を作る人ために、たくさん
出回っている「もみしそ」で自家製の赤しそふりかけを
作る方法です。市販品のように乾燥させないので、
混ぜてすぐ食べられます。

 うちでは、1年分を仕込んで冷蔵庫と冷凍庫に
ストックしています。旬の赤しそがたくさん出回る
この時期にぜひ、活用して、心も体も癒されてください。